日米が同じ週に利上げしたにもかかわらず円は8通貨中で最弱となり、ドル円は156円85銭で越週しました。今週は日本が21日から23日まで3連休で、週前半は東京市場が休場です。

1. 先週の金融市場まとめ(9/14~9/18)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 156.855 +2.15% 156.855 / 154.323
EUR/USD 1.1489 -0.97% 1.1551 / 1.1467
EUR/JPY 180.158 +1.13% 180.158 / 178.177
GBP/JPY 210.136 +1.14% 210.136 / 208.312
AUD/JPY 111.678 +1.42% 111.678 / 110.186
GBP/USD 1.3394 -1.00% 1.3501 / 1.3358
日経平均 65,018.95 +1.57% 65,018.95 / 63,484.10
NYダウ 51,682.64 -1.69% 52,421.20 / 51,461.90
S&P500 7,650.50 -0.08% 7,650.50 / 7,551.81
ゴールド(NY金) 4,424.9 +0.78% 4,424.90 / 4,332.80
WTI原油 100.30 +0.29% 105.83 / 100.30

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • 米連邦公開市場委員会(FOMC、Federal Open Market Committee、米国の金融政策を決める会合)は9月16日、政策金利を0.25%引き上げて3.75~4.00%としました。投票は12対0の全会一致で、7月会合に続く連続利上げです。
  • ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で「インフレは長すぎるあいだ高すぎた」と述べました。同時に示された政策金利見通し(ドットチャート)では2027年の水準について8人が追加利上げ、6人が据え置き、4人が利下げと見方が分かれています。(9月17日)
  • イングランド銀行(BOE、Bank of England、英国の中央銀行)は9月17日、政策金利を3.75%に据え置きました。投票は6対3で、3人は4.00%への利上げを主張しました。
  • BOEは同時に、保有する英国債を2034年末までにゼロにする多年度の量的引き締め(QT、Quantitative Tightening、中央銀行が保有資産を減らすこと)計画を全会一致で決めました。年平均460億ポンド、うち市中売却は年200億ポンドにとどまり、実質的なQT減速と受け止められています。(9月17日)
  • 日本銀行は9月18日、政策金利を0.25%引き上げて1.25%程度としました。3か月ぶりの利上げで、政策委員9人のうち7人が賛成、2人が反対でした。
  • 植田和男日銀総裁は会見で「政策の局面が変化した」と述べ、企業の価格転嫁が消費者物価に波及していると指摘しました。そのうえで連続利上げや大幅な利上げの可能性も排除しないと語っています。(9月18日)
  • 日本の8月全国消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index、消費者物価指数)は、生鮮食品を除くコアが前年同月比1.7%と予想の1.8%を下回りました。総合は1.9%です。(9月18日)
  • 米国の8月小売売上高は前月比+1.2%と予想の+0.8%を大きく上回りました。自動車を除くベースも+1.4%と強く、FOMC直前に米消費の底堅さを示しています。(9月16日)
  • ニュージーランドの4-6月期国内総生産(GDP、Gross Domestic Product、国内総生産)は前期比+0.2%、前年同期比+2.6%と予想を上回りましたが、NZドルは週間で8通貨中7位と伸び悩みました。(9月17日)
  • 18日のニューヨーク市場では日銀がレートチェックを実施したと報じられ、158円05銭まで進んだ円安が一巡しました。米8月鉱工業生産が前月比0.0%、8月景気先行指数が-0.1%と振るわなかったこともドル買いを後退させています。(9月18日)

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
9/14(月) カナダ 8月消費者物価指数(前年比) 3.0% 3.0% 3.0%
9/15(火) 中国 8月小売売上高(前年比) 0.6% 0.8% 0.4%
9/15(火) 英国 8月失業率 4.3% 4.4%
9/15(火) 米国 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数 20.6 15.0 7.6
9/16(水) 日本 8月貿易統計(季調前) -6,345億円 -1兆584億円 -1兆1,056億円
9/16(水) 英国 8月消費者物価指数(前年比) 2.9% 3.1% 3.1%
9/16(水) 米国 8月小売売上高(前月比) -0.6% 0.8% 1.2%
9/16(水) 米国 FOMC 政策金利 3.50-3.75% 3.75-4.00% 3.75-4.00%
9/17(木) ニュージーランド 4-6月期GDP(前期比) 0.8% 0.1% 0.2%
9/17(木) ユーロ圏 8月消費者物価指数(改定値・前年比) 3.3% 3.3% 3.2%
9/17(木) 英国 BOE 政策金利 3.75% 3.75% 3.75%
9/17(木) 米国 9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 47.4 32.5 37.8
9/18(金) 日本 日銀 政策金利 1.00% 1.25% 1.25%
9/18(金) 日本 8月全国消費者物価指数(生鮮除く・前年比) 1.8% 1.8% 1.7%
9/18(金) 英国 8月小売売上高(前月比) -0.5% -0.2% 0.5%
9/18(金) 米国 8月鉱工業生産(前月比) 0.2% 0.3% 0.0%

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 USD/JPY +2.15% 156.855
2位 NZD/USD -1.57% 0.5724
3位 CHF/JPY +1.49% 190.828
4位 AUD/JPY +1.42% 111.678
5位 CAD/JPY +1.25% 112.116

週間の値動きはドル円の+2.15%が突出しました。上位5本のうち4本が円クロスで、円が全面的に売られた週だったことがそのまま順位に出ています。反対側の1本はNZドル/米ドルの-1.57%で、GDPが予想を上回ったにもかかわらず売られました。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++USD   +1.13%
2位 ++CHF   +0.43%
3位 ++AUD   +0.36%
4位 +CAD    +0.19%
5位 +GBP    +0.06%
6位 +EUR    +0.04%
7位 --NZD   -0.52%
8位 --JPY   -1.30%

利上げしたばかりのドルが1位、同じ週に利上げした円が8位という対照的な結果になりました。日銀の利上げは事前に織り込まれていたうえ、植田総裁が追加利上げに含みを持たせても日米の金利差そのものは開いたままで、円買いは続きませんでした。
スイスフランが2位に入ったのは、24日の会合を前に0%据え置きが確実視されるなかでも対円で買われたためです。NZドルは7位で、GDPの上振れが相場に効かなかった点が目立ちます。

■ ボラティリティ(今週の値幅)

  • 市場全体:継続/主要6ペアの値幅は、直近4週平均が13週平均の1.19倍。水準は1年の上位5%。拡大3本・縮小0本
  • ドル円:発生/値幅472銭は、ふだんの199銭(13週中央値)に対して2.42倍、直近4週平均は13週平均の1.37倍、方向性0.37(下方向)、3週続けて平均超え、水準は1年で最も高い
  • ユーロドル:もみ合い/値幅142pipsは、ふだんの106pips(13週中央値)に対して1.33倍、直近4週平均は13週平均の0.93倍、方向性0.20(行って来い)、水準は1年の下位11%
  • ユーロ円:発生/値幅377銭は、ふだんの216銭(13週中央値)に対して1.76倍、直近4週平均は13週平均の1.26倍、方向性0.36(下方向)、3週続けて平均超え、水準は1年で最も高い
  • ポンド円:発生/値幅399銭は、ふだんの313銭(13週中央値)に対して1.29倍、直近4週平均は13週平均の1.21倍、方向性0.39(下方向)、3週続けて平均超え、水準は1年で最も高い

※値幅は週足の真の値幅(TR)。ボラ比は直近4週平均÷13週平均、方向性は1に近いほど一直線、0に近いほど行って来い。判定はシカウチが機械的に算出しています。

2. 今週の金融市場(9/21~9/25)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
9/22(火) 20:00 ユーロ圏 ラガルドECB総裁、発言 ★★
9/22(火) 23:00 ユーロ圏 9月消費者信頼感(速報値) ★★ -15.5 -16.0
9/23(水) 16:30 ドイツ 9月製造業購買担当者景気指数(速報値) ★★ 54.3 54.0
9/23(水) 17:00 ユーロ圏 9月製造業購買担当者景気指数(速報値) ★★ 52.7 52.6
9/23(水) 17:30 英国 9月サービス部門購買担当者景気指数(速報値) ★★ 52.5 52.0
9/23(水) 22:00 南アフリカ 南アフリカ準備銀行 政策金利 ★★★ 7.00% 7.25%
9/23(水) 22:45 米国 9月総合購買担当者景気指数(速報値) ★★ 56.0
9/24(木) 10:30 豪州 8月新規雇用者数 ★★ -1.58万人 2.00万人
9/24(木) 16:30 スウェーデン スウェーデン中銀 政策金利 ★★ 1.75% 1.75%
9/24(木) 16:30 スイス スイス国立銀行 政策金利 ★★★ 0.00% 0.00%
9/24(木) 17:00 ノルウェー ノルゲバンク 政策金利 ★★ 4.25% 4.50%
9/24(木) 17:00 ドイツ 9月IFO企業景況感指数 ★★ 88.8 89.0
9/24(木) 21:30 米国 前週分新規失業保険申請件数 ★★ 19.6万件 20.0万件
9/24(木) 23:00 米国 8月新築住宅販売件数(年率換算) ★★★ 60.7万件 62.0万件
9/24(木) 28:00 メキシコ メキシコ中銀 政策金利 ★★ 6.50% 6.50%
9/25(金) 21:30 米国 8月耐久財受注(前月比) ★★ 1.1% -0.3%
9/25(金) 23:00 米国 9月ミシガン大学消費者態度指数・確報値 ★★ 47.8 47.5

■ 今週のテーマ

  • 日本は21日(月)から23日(水)まで3連休で、東京市場は週の前半3日が休場です。国内勢の参加が細るぶん、値が飛びやすい時間帯には留意しておきたいところです。
  • 中銀ラッシュの第2波が来ます。23日に南アフリカ準備銀行(7.00%から7.25%への利上げ予想)、24日にスイス国立銀行・ノルウェー中銀・スウェーデン中銀・メキシコ中銀が並びます。
  • 23日は日米欧の9月購買担当者景気指数(PMI、Purchasing Managers Index、企業の景況感を示す指数)速報値が集中します。利上げ局面に入った米欧の景気が減速していないかを測る材料です。
  • 先週末に日銀のレートチェックが報じられたことで、当局の円安けん制が意識されやすくなっています。日米とも利上げした後の金利差がどう評価されるかが焦点です。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

形的には下降トレンドですが、ファンダの情報が入り交じっており、ちょっと分かりづらいです。無理にやらなくても、いいかなと。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

下がり目のレンジですね。一番にトレードしたい感じではないです。

4. 気になる通貨ペア:USDCAD

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

綺麗なダブルボトムが出て、ボリンジャーの形的にも上を目指しそう。

なお、今すぐ買うのも間違ってはいませんが、ネックラインの1.393付近までひきつけるのがセオリーです。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(9/20時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
日本 1.25% 2026年9月 +0.25% 10月30日
米国 3.75-4.00% 2026年9月 +0.25% 10月28日
ユーロ圏 2.50%(預金ファシリティ) 2026年9月 +0.25% 10月29日
英国 3.75% 2025年12月 -0.25% 11月5日
カナダ 2.25% 2025年10月 -0.25% 10月28日
豪州 4.35% 2026年5月 +0.25% 9月29日
ニュージーランド 2.75% 2026年9月 +0.25% 10月28日
スイス 0.00% 2025年6月 -0.25% 9月24日
ノルウェー 4.25% 2026年5月 +0.25% 9月24日
スウェーデン 1.75% 2025年9月 -0.25% 9月24日

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
香港 4.25% 2026年9月 +0.25% 10月28日
中国(最優遇貸出金利・1年) 3.00% 2025年5月 -0.10% 9月21日
南アフリカ 7.00% 2026年5月 +0.25% 9月23日
トルコ 37.00% 2026年1月 -1.00% 10月22日
メキシコ 6.50% 2026年5月 -0.25% 9月24日
ロシア 14.00% 2026年7月 -0.25% 10月23日
ハンガリー 5.50% 2026年8月 -0.25% 9月22日
チェコ 3.75% 2026年6月 +0.25% 11月5日
ポーランド 3.75% 2026年3月 -0.25% 10月7日

先週はFOMCが3.75~4.00%、日銀が1.25%へそろって利上げし、利上げ局面にある中央銀行は米国・日本・ユーロ圏の3行になりました。香港も米金利に連動する制度上、17日に3年ぶりの利上げで4.25%としています。英国は据え置きでしたが3人が利上げを主張しており、据え置き組のなかではタカ派寄りです。今週は23日に南アフリカ準備銀行が7.25%への利上げを予想され、24日にはスイス・ノルウェー・スウェーデン・メキシコが並びます。マイナー通貨ではハンガリーが唯一の利下げ局面で、22日の会合が次の節目です。

主要15通貨の金利見通しマップ

利上げ局面にあるのは米国・日本・ユーロ圏の3行に増え、香港も米国に連動して4.25%へ引き上げました。今週は23日の南アフリカ、24日のスイスとノルウェーが節目になります。マイナー通貨ではハンガリーだけが利下げ局面で、22日の会合を迎えます。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • トレイダーズ証券(みんなのFX):「みんなのFX」の南アフリカランド/円の原則固定スプレッドを、9月7日(月)から0.9銭→0.8銭に縮小しました。原則固定の時間帯は午前8時から翌午前5時まで(例外あり)です。
    南アフリカランド/円はスワップポイント目的で長く持つ人が多い高金利通貨ペアです。南アフリカの政策金利は7.00%で、次回の金融政策委員会は今週23日にあります。
    ▼トレイダーズ証券(公式)【みんなのFX】南アフリカランド/円のスプレッドが0.8銭となりました!
  • ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF):9月9日、「FXTF」のマイページについて2026年10月をめどにパスキー認証によるログインを原則必須化する予定だと発表しました。正式な日程は決まり次第、告知するとしています。
    パスキー認証は、パスワードの代わりに端末の指紋・顔認証やPINでログインする仕組みで、フィッシング詐欺による不正ログインを防ぎやすいのが特徴です。パスキーを登録すると、出金依頼と出金先口座の変更にはパスキー認証が必須になります。
    ▼ゴールデンウェイ・ジャパン(公式)【重要】パスキー認証の必須化に関するお知らせ

7. シカウチから一言

最近、わっきゃいさんの提唱するスキャル手法、Wemofに取り組んでおりまして、ここまでおよそ2週間チャートを見張って、13勝1敗という強烈な成績になっています。

この1敗も明らかにルールを忘れていた感じなので、今のところかなりの手応え。

で、わっきゃいさんのSNS発信や各種メディアの記事、動画の内容をまとめた記事を公開しました。こちらも参考にしてね。

https://note.com/634green/n/n9931229ce505?from=notice

 


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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