今週は日米欧の中央銀行会合が集中した一週間でした。日銀は約31年ぶりに政策金利を1.00%へ引き上げ、ウォーシュ新議長初采配のFOMCは据え置きながらタカ派姿勢を強めました。米金利上昇を背景にドルが全面高となり、USD/JPYは161円台で週越え。日経平均は連日で史上最高値を更新し週間+7.9%と急騰、一方でWTI原油は週間約-9%と大幅続落しました。

1. 先週の金融市場まとめ(6/15~6/19)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 161.289 +0.72% 161.289 / 159.955
EUR/USD 1.1459 -1.01% 1.1610 / 1.1459
EUR/JPY 184.815 -0.30% 186.246 / 184.807
GBP/JPY 212.934 -0.87% 215.385 / 212.934
AUD/JPY 113.114 +0.23% 113.344 / 112.717
GBP/USD 1.3202 -1.58% 1.3450 / 1.3202
日経平均 71,250.06 +7.92% 71,250.06 / 69,317.50
NYダウ 51,564.70 +0.71% 51,999.67 / 51,492.55
S&P500 7,500.58 +0.93% 7,554.29 / 7,420.10
ゴールド(NY金) 4,172.9 -1.55% 4,381.40 / 4,172.90
WTI原油 76.51 -9.17% 80.75 / 76.05

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • 日銀が約31年ぶりに政策金利を1.00%へ引き上げ(6/16):0.75%から0.25%の利上げ(BOJ、日本銀行、政策金利1%は約31年ぶりの高水準)。採決は7対1、植田総裁は入院のため欠席し氷見野副総裁が議長を務めた。
  • ウォーシュ新議長初采配のFOMCはタカ派据え置き(6/17):政策金利を3.50~3.75%で4会合連続据え置き(FOMC、米連邦公開市場委員会)。声明を簡素化して利下げバイアスを削除し、参加者18人中9人が年内利上げを予想。米2年債利回りは約14bp上昇。
  • 英中銀BOEとスイスSNBはそろって据え置き(6/18):BOE(Bank of England)は3.75%、SNB(Swiss National Bank)は0.00%で、いずれも4会合連続の据え置き。
  • 米5月小売売上高が予想を上回る(6/17):前月比+0.9%(予想+0.5%)と個人消費の底堅さを確認し、タカ派FOMCを後押しした。
  • 日経平均が史上最高値を更新、初の7万1千円台(6/18):6/18に71,053円で初の7万1千円台、週末も71,250円と週間+7.9%の急騰。日米のハイテク買いと円安が追い風。
  • NY金が6/18に約3%急落(6/18):ドル高と米実質金利上昇で安全資産が買われず、4,245ドルへ-3.09%。週間でも下落した。
  • WTI原油が週間約-9%と大幅続落:イラン情勢の緊張緩和で供給不安が後退し、76ドル台まで下落。週間騰落率は主要銘柄で最大の下げ。
  • ドルが主要通貨に対して全面高、USD/JPYは161円台で週越え:タカ派FOMCと米金利上昇でドル独歩高。介入警戒ゾーンに接近した。
  • 米国は6/19がジューンティーンスで休場:奴隷解放記念日の祝日で株式・債券市場が休場となり、週末は薄商いとなった。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
6/16(火) 日銀政策金利(BOJ) 0.75% 1.00% 1.00%
6/16(火) 豪州RBA政策金利 4.35% 4.35% 4.35%
6/17(水) 米国FOMC政策金利(上限) 3.75% 3.75% 3.75%
6/17(水) 米国5月小売売上高(前月比) +0.5% +0.9%
6/18(木) 英国BOE政策金利 3.75% 3.75% 3.75%
6/18(木) スイスSNB政策金利 0.00% 0.00% 0.00%

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 GBP/USD -1.58% 1.3202
2位 NZD/USD -1.34% 0.5755
3位 USD/CHF +1.24% 0.8049
4位 USD/CAD +1.20% 1.4141
5位 EUR/USD -1.01% 1.1459

週間騰落率はドルストレートが上下位を占め、タカ派FOMCと米金利上昇を背景にしたドル全面高の一週間を映した(GBP/USD・NZD/USD・EUR/USDが下落、USD/CHF・USD/CADが上昇)。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++USD   +1.08%
2位 ++JPY   +0.26%
3位 -AUD    -0.13%
4位 -EUR    -0.25%
5位 --CAD   -0.84%
6位 --CHF   -0.87%
7位 --NZD   -0.98%
8位 --GBP   -1.01%

週間ではドルが圧倒的に強く(++USD+1.08%)、安全通貨の円が続いた(++JPY+0.26%)。半面、ポンド・ニュージーランドドル・スイスフラン・カナダドルがそろって下落し、リスク回避とドル独歩高が鮮明(最弱は–GBP-1.01%)。

2. 今週の金融市場(6/22~6/26)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
6/22(月) 10:00 中国 最優遇貸出金利(LPR・1年) ★★ 3.00% 3.00%
6/22(月) 21:30 カナダ 5月消費者物価指数(CPI・前年比) ★★ +2.8% +3.0%
6/23(火) 17:00 ユーロ圏 6月製造業・サービス業PMI速報 ★★ 51.6 / 47.7 51.5 / 49.3
6/23(火) 22:45 米国 6月製造業・サービス業PMI速報 ★★ 55.1 / 50.7 54.6 / 51.0
6/24(水) 10:30 豪州 5月消費者物価指数(CPI・前年比) ★★ +4.2% +4.3%
6/24(水) 17:00 ドイツ 6月Ifo企業景況感指数 ★★ 84.9 85.5
6/24(水) 23:00 米国 5月新築住宅販売件数 ★★ 62.2万件 64.2万件
6/25(木) 21:30 米国 5月PCE価格指数(前年比) ★★★ +3.8% +4.1%
6/25(木) 21:30 米国 5月コアPCE価格指数(前年比) ★★★ +3.3% +3.4%
6/25(木) 21:30 米国 5月耐久財受注(前月比)・1-3月期GDP確報 ★★ +8.0% -4.7%
6/26(金) 08:30 日本 6月東京都区部CPI(生鮮除くコア・前年比) ★★ +1.3% +1.6%
6/26(金) 23:00 米国 6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報 ★★ 48.9 48.9

■ 今週のテーマ

  • 米5月PCE価格指数(6/25木):タカ派FOMC後の最重要インフレ指標。前年比予想+4.1%・コア+3.4%と高止まりが見込まれ、結果次第で米利上げ観測とドルの方向を左右する。
  • 各国6月フラッシュPMI(6/23火):ユーロ圏・英国・米国の製造業/サービス業PMI速報が集中。世界景気のモメンタムを点検する週初の手掛かり。
  • USD/JPYの介入警戒(161円台で週越え):ドル円が161円台に乗せ、政府・日銀の介入警戒ゾーンに接近。日銀の1%利上げ後も日米金利差が円の重荷となっている。
  • 資源国・東京のインフレ指標:6/22カナダCPI、6/24豪州CPI、6/26東京都区部CPI。利上げした日銀の次の一手や資源国通貨の方向を探る。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

もろもろのイベントをひととおり消化した結果、ドル円は161円越え。長らく上値が重かった時期を抜け、さらなる上昇の構えを見せています。介入が来ても、結局は上がるので、ちゃんと損切りさえ入っていれば、買いを狙って良いという判断に。

 

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

ドルの強さから、ユーロドルは下へ。

直近の斜めのライン(ピンク)と横のライン(水色)を下抜けしつつ、ボリンジャーバンドのバンド幅が拡大し始めるのは、好きなトレンドの形です。まあ、売りだわなと。

4. 気になる通貨ペア:USDCAD

ここ何回か取り上げているドルカナダ。斜めライン、水平線をブレイクし、バンドウォークが始まってるので、買いでゴリゴリ入っていっていい展開かな。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(6/21時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 6月の動き 次回会合
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.50-3.75% 6/17据え置き(タカ派・利下げバイアス削除) 7/29 FOMC
日本(日銀、BOJ) 1.00% 6/16に+0.25%利上げ(約31年ぶり1%) 7/31
欧州(ECB、European Central Bank) 2.40% 6/11に+0.25%利上げ 7/23
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 6/18据え置き(4会合連続) 8/6
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.35% 6/16据え置き 8/11
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 6/10据え置き 7/29
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 6/18据え置き(4会合連続) 9/24
ニュージーランド(RBNZ) 2.25% 据え置き 7/8
ノルウェー(Norges Bank) 4.25% 据え置き 8/13
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 据え置き 8/20

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 6月の動き 次回会合
中国(PBOC、人民銀行・LPR) 3.00% 据え置き 7/20
メキシコ(Banxico) 6.50% 5月に-0.25%利下げ 8/6
南アフリカ(SARB) 7.00% 5月に+0.25%利上げ 7/23
トルコ(TCMB) 37.00% 据え置き 7/23
ロシア(CBR) 14.50% 6/19会合 7/24
ハンガリー(MNB) 6.25% 据え置き 7/28
ポーランド(NBP) 3.75% 据え置き 7/8

6月は日銀が約31年ぶりに1.00%へ利上げし、ECBも6/11に2.40%へ追加利上げした一方、米FOMC(3.50-3.75%)・英BOE(3.75%)・スイスSNB(0.00%)は据え置き。南アフリカは5月に7.00%へ利上げした。来週は主要中銀の会合がなく、米PCEなど指標待ちの展開となる。

6. FX業界ニュース

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本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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