今週は独立記念日(7/4)の振替で1日前倒しとなった米6月雇用統計(7/2発表)が最大の焦点でした。非農業部門雇用者数は+5.7万人と予想(+11.0万人)を大きく下回り、前月分も下方修正されて労働市場の急減速が鮮明に。これを受けてFRBの7月追加利上げ観測が後退し、ドルが全面安となりました。週初に162円台へ乗せたドル円は161円台前半へ反落。一方で米国株は利下げ期待から最高値圏を維持し、NY金は週間+2.7%と急伸しました。

1. 先週の金融市場まとめ(6/29~7/3)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 161.337 -0.29% 162.628 / 161.337
EUR/USD 1.1440 +0.69% 1.1440 / 1.1378
EUR/JPY 184.574 +0.40% 185.612 / 184.418
GBP/JPY 215.383 +0.94% 215.840 / 214.613
AUD/JPY 112.016 +0.32% 112.425 / 111.442
GBP/USD 1.3350 +1.23% 1.3350 / 1.3251
日経平均 69,744.07 +0.55% 70,474.96 / 68,733.15
NYダウ 52,900.07 +1.97% 52,900.07 / 52,182.74
S&P500 7,483.24 +1.76% 7,499.36 / 7,440.43
ゴールド(NY金) 4,187.3 +2.66% 4,187.30 / 4,022.30
WTI原油 68.78 -0.65% 70.75 / 68.58

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • 米6月雇用統計が予想を大幅に下回る(7/2):非農業部門雇用者数(NFP)は+5.7万人と予想(+11.0万人)を大きく下回り、前月分も+17.2万人から+12.9万人へ下方修正。労働市場の急減速が鮮明になりました。ただし失業率は4.2%と前月(4.3%)から改善、平均時給も前年比+3.5%と底堅く、強弱入り混じる内容でした。
  • FRBの7月利上げ観測が後退、ドル全面安(7/2):弱い雇用を受けて金利先物市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の7月追加利上げ確率が33%から20%へ低下。米長期金利が低下し、ドル指数は約0.7%下落しました。
  • ドル円が162円台へ乗せた後に反落(6/30~7/2):リスクオンの円売りと日米金利差を背景に6/30に162.56円と約39年半ぶりの円安・ドル高水準を更新。雇用統計後は161円台前半へ押し戻され、当局の為替介入への警戒が続いています。
  • 日銀短観が予想を大きく上回る(7/1):第2四半期の大企業製造業の業況判断DIは+22と予想(+16)を大幅に上回り、日銀の追加利上げ観測を支える強い内容でした。日銀の次回会合は7/31です。
  • ユーロ圏6月HICPが鈍化(7/1):消費者物価指数(HICP、速報)は前年比+2.8%と予想(+3.0%)を下回り、コアも+2.4%へ鈍化。ECB(欧州中央銀行)の追加利下げ余地が意識され、ユーロは一時軟化しました。
  • 米6月ADP・ISM製造業が減速を示唆(7/1):ADP雇用者数は+9.8万人(予想+11.2万人)、ISM製造業景気指数は53.3(前回54.0)へ低下し、翌日の雇用統計下振れの前触れとなりました。
  • 米国株が最高値圏を維持(6/29~7/2):S&P500は6/29・6/30と連日で終値の史上最高値を更新。雇用統計後も利下げ期待からNYダウが+1.14%と上昇し、週間でダウ+1.97%・S&P500+1.76%となりました。
  • NY金が週間+2.7%と急伸:ドル安と米金利低下を背景に買われ、金曜には4,187ドルまで水準を切り上げました。一方WTI原油は68ドル台で伸び悩み、週間ではほぼ横ばいでした。
  • 日経平均が乱高下、週間+0.55%:前週末の急落後、月~水で7万円台を回復(7/1に70,474円)した後、7/2は高値警戒の利益確定売りで-2.47%と反落。金曜7/3は69,744円へ戻して週を終えました。
  • 資源国通貨とポンドが堅調、ドルが最弱:週間強弱ではニュージーランドドル・ポンド・スイスフランが上位、米ドルが最下位に。米独立記念日(7/4)の振替で米市場は7/3が休場でした。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
6/29(月) ユーロ圏6月経済信頼感 93.5 94.3 95.0
6/29(月) 日本5月小売業販売額(前年比) +2.1% +3.0% +5.3%
6/30(火) 米国6月消費者信頼感(コンファレンスボード) 93.1 94.2 91.2
6/30(火) 米国5月JOLTS求人件数 761.8万件 735.0万件 759.4万件
6/30(火) ドイツ6月CPI(速報・前年比) +2.6% +2.6% +2.3%
7/1(水) 日本・日銀短観(第2四半期・大企業製造業DI) 17 16 22
7/1(水) ユーロ圏6月HICP(速報・前年比) +3.2% +3.0% +2.8%
7/1(水) 米国6月ADP雇用者数(前月比) +12.2万人 +11.2万人 +9.8万人
7/1(水) 米国6月ISM製造業景気指数 54.0 53.8 53.3
7/2(木) 米国6月雇用統計(非農業部門雇用者数) +12.9万人 +11.0万人 +5.7万人
7/2(木) 米国6月失業率 4.3% 4.3% 4.2%
7/2(木) 米国6月平均時給(前年比) +3.4% +3.5% +3.5%
7/2(木) ユーロ圏5月失業率 6.3% 6.3% 6.2%

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 GBP/USD +1.23% 1.3350
2位 NZD/USD +1.22% 0.5712
3位 USD/CHF -0.97% 0.8027
4位 GBP/JPY +0.94% 215.383
5位 NZD/JPY +0.92% 92.156

週間では米雇用統計の下振れによるドル全面安が主題となり、対ドルで上昇したポンド・ニュージーランドドルが上位に。–USD/CHFはドル安・スイスフラン高の両面から3位に入りました。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++NZD   +1.07%
2位 ++GBP   +0.90%
3位 ++CHF   +0.82%
4位 ++AUD   +0.47%
5位 +EUR    +0.18%
6位 -CAD    -0.13%
7位 --JPY   -0.39%
8位 --USD   -0.72%

米雇用の急減速でドルが最弱(–USD -0.72%)となり、資源国通貨のニュージーランドドルとポンド、安全資産のスイスフランが上位を占めました。円は日銀短観の強さにもかかわらず、リスクオンの株高を背景に振るいませんでした。

2. 今週の金融市場(7/6~7/10)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
7/6(月) 23:00 米国 6月ISM非製造業景気指数 ★★★ 54.5 54.1
7/6(月) 22:45 米国 6月サービス業PMI(確報) ★★ 51.3 51.3
7/7(火) 21:30 米国 5月貿易収支 ★★ -559億ドル -787億ドル
7/8(水) 11:00 ニュージーランド NZ中銀(RBNZ)政策金利 ★★★ 2.25% 2.50%
7/8(水) 08:50 日本 5月国際収支(経常収支) ★★ 3.91兆円 4.16兆円
7/9(木) 03:00 米国 FOMC議事録(6月会合分) ★★★
7/9(木) 10:30 中国 6月CPI(前年比) ★★★ +1.2%
7/9(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数 ★★ 21.5万件 21.8万件
7/9(木) 23:00 米国 6月中古住宅販売件数 ★★ 417万件 420万件
7/10(金) 21:30 カナダ 6月雇用統計(雇用者数) ★★★ +8.78万人 +1.00万人
7/10(金) 15:00 ドイツ 6月CPI(確報・前年比) ★★ +2.3% +2.3%

■ 今週のテーマ

  • 米ISM非製造業・サービス業PMI(7/6):雇用統計の下振れ後、サービス業の底堅さを確認できるかが景気減速懸念の試金石となります。
  • NZ中銀(RBNZ)政策金利(7/8):市場は+0.25%利上げ(2.25%→2.50%)を織り込み。結果と声明がオセアニア通貨の手掛かりです。
  • 米FOMC議事録・6月会合分(7/9):雇用鈍化で利下げ観測が高まるなか、6月会合での委員のスタンスと今後の利下げ地図を読み解きます。
  • 中国CPI/PPI(7/9)・カナダ雇用統計(7/10):中国のディスインフレ動向と資源国の労働市場に注目。ドル円は162円台の介入警戒ゾーンを引き続き注視します。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

ジリ上げを1本の長い陰線が断ち切った感じです。まだ高値圏にあるので、160円台にあるうちは強気目線ですかね。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

下降トレンド始まるかな?っていうバンドウォーク初期状態から反発して、割り込んだ水平線の内側へ。一気にトレンドが走る展開じゃなくなりそう。

4. 気になる通貨ペア:EURGBP

これまで効いてきた水平線を一気に割りこみました。今週以降、下降トレンドに移行するか注目。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(7/5時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.50~3.75% 6/17据え置き 7/29
日本(日銀) 1.00% 6/16に+0.25%利上げ 7/31
欧州(ECB、European Central Bank) 2.40% 6/11に+0.25%利上げ 7/23
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 6/18据え置き 7/30
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.35% 6/16据え置き 8/11
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 6/10据え置き 7/15
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 6/18据え置き 9/24
ニュージーランド(RBNZ) 2.25% 6月据え置き 7/8(来週水曜・利上げ予想)
ノルウェー(Norges Bank) 4.25% 6/18据え置き 8/13
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 6/17据え置き 8/20

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
中国(PBOC、人民銀行・LPR) 3.00% 6/22据え置き 7/21
メキシコ(Banxico) 6.50% 6/26会合 8/7
南アフリカ(SARB) 7.00% 据え置き(前回5/28に+0.25%) 7/23
トルコ(TCMB) 37.00% 6/11据え置き 7/23
ロシア(CBR) 14.25% 6/19に-0.25%利下げ 7/24
ハンガリー(MNB) 6.00% 6/23に-0.25%利下げ 7/28
香港 4.00% 6/18据え置き 7/30

6月は日銀(+0.25%→1.00%)と欧州中央銀行(+0.25%→2.40%)が利上げ、ロシア(-0.25%→14.25%)とハンガリー(-0.25%→6.00%)が利下げに動きました。来週は7/8のNZ中銀(RBNZ、+0.25%利上げ予想)7/9の米FOMC議事録(6月会合分)が金利観の手掛かりとなります。米国(3.50~3.75%)の次回会合は7/29、日本は7/31です。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • みんなのFX(トレイダーズ証券):スイスフランと高金利通貨を組み合わせた最大100万円のキャッシュバックキャンペーンや、他社とのスワップポイント差額を還元する「スワップNo.1チャレンジキャンペーン」を実施中。季節企画「最大10万円が当たる夏のプレゼントキャンペーン」も開催中で、新規口座開設で最大100万円のキャッシュバックが受けられる「新規口座開設プログラム」と合わせ、夏場の取引を後押しする内容がそろっています(トレイダーズ証券株式会社:関東財務局長(金商)第123号)。各企画には対象期間・取引条件・適用通貨ペア等の規定があるため、参加前に公式サイトの最新要項をご確認ください。公式キャンペーン一覧:https://min-fx.jp/campaign/

7. シカウチから一言

木曜から札幌に退避しております。この涼しさに醜い心が浄化されていきます…。

そうそう、今行っている自動売買の開発は、札幌の拠点で行ってるんです。札幌の家にあるノートPCを常時稼働させて、そこでAIを常に走らせているだけなんですけどね。


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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