今週は注目の米5月PCE(個人消費支出物価指数)前年比+4.1%と約3年ぶりの高水準ながらほぼ予想どおりで通過し、為替の波乱は限定的でした。USD/JPYは161円台で底堅く週を越えた一方、日経平均は木曜に史上最高値(72,366円)を付けた直後、金曜に約4%急落週間-2.65%。原油は週間約-8%と続落し、資源国通貨のニュージーランドドル・豪ドルが最弱となりました。

1. 先週の金融市場まとめ(6/22~6/26)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 161.805 +0.32% 161.805 / 161.433
EUR/USD 1.1362 -0.85% 1.1463 / 1.1354
EUR/JPY 183.838 -0.53% 185.047 / 183.669
GBP/JPY 213.387 +0.21% 214.033 / 212.987
AUD/JPY 111.654 -1.29% 113.050 / 111.616
GBP/USD 1.3188 -0.11% 1.3247 / 1.3167
日経平均 69,360.88 -2.65% 72,366.34 / 69,174.97
NYダウ 51,876.11 +0.60% 51,920.62 / 51,666.84
S&P500 7,354.02 -1.95% 7,472.79 / 7,354.02
ゴールド(NY金) 4,103.0 -1.68% 4,202.70 / 4,008.80
WTI原油 70.24 -8.20% 73.86 / 70.24

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • 米5月PCE(個人消費支出物価指数)は前年比+4.1%(6/25):市場予想+4.1%どおりで、コアPCEも+3.4%(予想どおり)。約3年ぶりの高水準ながら想定内で、発表後はドル買いが一服しました。
  • 米第1四半期GDP(国内総生産)確報値が+2.1%へ上方修正(6/25):個人所得・個人消費はともに前月比+0.7%、耐久財受注(コア)+1.3%と、米経済の底堅さが確認されました。
  • 豪州5月雇用統計、雇用者数+4.03万人(6/25):市場予想+3.25万人を上回り、失業率は4.4%。一方で5月CPIは前年比+4.0%(予想+4.3%)へ鈍化しました(6/24)。
  • 欧米の6月フラッシュPMI(購買担当者景気指数、速報)が発表(6/23):米国は製造業55.7・サービス業51.3とともに上振れた一方、ドイツのサービス業は46.8と好不況の境目50を下回り、ユーロの重しとなりました。
  • カナダ5月CPI(消費者物価指数)が+3.2%へ加速(6/22):市場予想+3.0%を上回る上振れ。中国は最優遇貸出金利(LPR)を1年3.00%・5年3.50%で据え置きました。
  • 東京都区部6月CPI(生鮮食品除くコア)が+1.6%へ加速(6/26):前回+1.3%から上昇し市場予想どおり。日銀の追加利上げ観測を支える内容となりました。
  • 日経平均が史上最高値から急反落(6/25~6/26):木曜に72,366円と終値ベースの史上最高値を更新した直後、金曜は約4%安の69,360円へ急落。高値警戒の利益確定が広がりました。
  • WTI原油が週間約-8%と続落:中東情勢の緊張緩和を背景に売りが続き、70ドル台前半まで水準を切り下げました。NY金も週間-1.7%と軟調でした。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
6/22(月) カナダ5月CPI(前年比) +2.8% +3.0% +3.2%
6/23(火) 米国6月製造業PMI(速報) 55.7
6/24(水) 豪州5月CPI(前年比) +4.3% +4.3% +4.0%
6/24(水) ドイツ6月Ifo企業景況感 85.5 85.6
6/25(木) 米国5月PCE(前年比) +4.1% +4.1%
6/25(木) 米国5月コアPCE(前年比) +3.4% +3.4%
6/25(木) 米国第1四半期GDP確報(前期比年率) +2.0% +2.1% +2.1%
6/25(木) 豪州5月雇用統計(失業率) 4.4% 4.4% 4.4%
6/26(金) 東京都区部6月CPI(生鮮除くコア・前年比) +1.3% +1.6% +1.6%
6/26(金) 米国6月ミシガン大消費者信頼感(確報) 48.9 50.0 49.5

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 NZD/USD -1.94% 0.5643
2位 NZD/JPY -1.63% 91.311
3位 AUD/USD -1.61% 0.6901
4位 AUD/JPY -1.29% 111.654
5位 EUR/USD -0.85% 1.1362

週間では資源国通貨のニュージーランドドルと豪ドルが下落率の上位を占めました。原油の続落(週間約-8%)と、米PCE通過後もドルが底堅く推移したことが背景です。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++USD   +0.85%
2位 ++JPY   +0.48%
3位 ++GBP   +0.28%
4位 --CAD   -0.26%
5位 --CHF   -0.54%
6位 --EUR   -0.70%
7位 --AUD   -1.45%
8位 --NZD   -1.78%

++USD(米ドル)が首位、安全資産の++JPY(円)が続き、商品安を映した–NZD(ニュージーランドドル)–AUD(豪ドル)の資源国通貨が最弱でした。米PCEが想定内で、為替全体の値幅は限定的です。

2. 今週の金融市場(6/29~7/3)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
6/29(月) 18:00 ユーロ圏 ユーロ圏6月景況感指数 ★★★ 93.5
6/30(火) 08:30 日本 日本5月雇用統計(失業率) ★★★ 2.5% 2.6%
6/30(火) 08:50 日本 日本5月鉱工業生産(速報・前年比) ★★★ +2.0% +1.1%
6/30(火) 10:30 中国 中国6月製造業PMI ★★★ 50.0 50.2
6/30(火) 21:00 ドイツ ドイツ6月CPI(速報・前年比) ★★★ +2.6%
6/30(火) 22:45 米国 米国6月シカゴ購買部協会景気指数 ★★★ 62.7
7/1(水) 08:50 日本 日銀短観(第2四半期・大企業製造業DI) ★★★ 14 13
7/1(水) 18:00 ユーロ圏 ユーロ圏6月HICP(消費者物価・速報・前年比) ★★★ +3.2%
7/2(木) 21:30 米国 米国6月雇用統計(平均時給・前年比ほか)★最重要・独立記念日で前倒し ★★★ +3.4% +3.5%
7/3(金) 米国 米国市場休場(独立記念日の振替休日) ★★

■ 今週のテーマ

  • 米6月雇用統計が木曜に前倒し(7/2):7/4の独立記念日(土曜)の振替で米市場は7/3が休場のため、通常の金曜から木曜へ前倒し。労働市場の減速度合いが最大の焦点です。
  • 日銀短観とインフレ動向(7/1):東京都区部CPIが+1.6%へ加速するなか、日銀短観の景況感を確認。日銀の次回会合(7/31)に向けた追加利上げ思惑の手掛かりとなります。
  • 米PCE通過後の金利観:PCEは予想どおりも約3年ぶりの高水準。米連邦準備制度理事会(FRB、次回会合7/29)の追加利上げ観測が続くかが注目されます。
  • 月初・四半期末のフロー:6月末・上半期末のリバランスが一巡し、原油安と資源国通貨の弱さがどこまで続くかが、週初の値動きのカギとなります。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

ジリ上げ継続中。為替介入の危険水準ではありますが、単発の下落ならそこが買い場になってしまい、まだまだ円売りは続くのではという見方です。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

ミドルライン到達後、ヒゲを上に伸ばして下落。これは下かな?という形状なのは先週と変わらず。

4. 気になる通貨ペア:USCAD

ずっと常勝バンドウォークが続き、いろいろなラインを上にぬけています。また買いだな。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(6/28時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 6月の動き 次回会合
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.50~3.75% 6/17据え置き 7/29
日本(日銀) 1.00% 6/16に+0.25%利上げ 7/31
欧州(ECB、European Central Bank) 2.40% 6/11に+0.25%利上げ 7/23
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 6/18据え置き 7/30
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.35% 6/16据え置き 8/11
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 6/10据え置き 7/15
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 6/18据え置き 9/24
ニュージーランド(RBNZ) 2.25% 据え置き(前回5/27) 9/2
ノルウェー(Norges Bank) 4.25% 6/18据え置き 8/13
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 6/17据え置き 8/20

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 6月の動き 次回会合
中国(PBOC、人民銀行・LPR) 3.00% 6/22据え置き 7/20
メキシコ(Banxico) 6.50% 6/26会合 8/7
南アフリカ(SARB) 7.00% 据え置き(前回5/28に+0.25%) 7/23
トルコ(TCMB) 37.00% 6/11据え置き 7/23
ロシア(CBR) 14.25% 6/19に-0.25%利下げ 7/24
ハンガリー(MNB) 6.00% 6/23に-0.25%利下げ 7/28
香港 4.00% 6/18据え置き 7/30

6月は日銀(+0.25%→1.00%)と欧州中央銀行(+0.25%→2.40%)が利上げ、ロシア(-0.25%→14.25%)とハンガリー(-0.25%→6.00%)が利下げに動きました。米国(3.50~3.75%)の次回会合は7/29、日本は7/31です。来週は7/1の日銀短観と7/2の米雇用統計が金利観の手掛かりとなります。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • JFX(MATRIX TRADER):スキャルピングを公式に認める同社が6月限定のタイアップキャンペーンを実施中。新規口座開設で代表・小林芳彦氏のスキャルピング手法レポートと、TradingView対応インジケーター「コバスキャインジ」を無料配布。条件達成で現金5,000円も進呈(口座開設は6/30まで、取引期間は7/8午前5時59分まで/関東財務局長(金商)第145号)。
  • DMM FX(DMM.com証券):6/12にパスキー認証の必須化を予告。FIDO2準拠の生体・デバイス認証で、フィッシングに強くパスワード不要のログインへ段階的に移行。6/17にはAndroid 17対応も発表し、モバイル環境の強化が続いています(近畿財務局長(金商)第20号)。

7. シカウチから一言

異常な忙しさの中で、コツコツEAを作っています。俺には自動売買しかないんじゃ。

AIと常に対面しながら、やりたいことを少しずつ形にしていく作業は楽しいです。


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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