6月第1週は前半こそ160円の手前でもみ合いましたが、金曜の米5月雇用統計が予想を大きく上回り(NFP+17.2万人/予想+8.5万人)、ドル全面高・株安・金安のリスクオフで週を終えました。USD/JPYは約1カ月ぶりに160円台を回復し、160.29円で週越え。来週は6/10の米5月CPIとカナダ・欧州の中央銀行会合が焦点です。

1. 先週の金融市場まとめ(6/1~6/5)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 160.293 +0.65% 160.293 / 159.650
EUR/USD 1.1527 -1.13% 1.1631 / 1.1527
EUR/JPY 184.770 -0.49% 185.968 / 184.770
GBP/JPY 213.767 -0.27% 215.292 / 213.767
AUD/JPY 113.007 -1.21% 114.769 / 113.007
GBP/USD 1.3336 -0.91% 1.3465 / 1.3336
日経平均 66,588.12 +0.39% 68,402.13 / 66,588.12
NYダウ 50,866.78 -0.32% 51,561.93 / 50,687.07
S&P500 7,383.74 -2.59% 7,609.78 / 7,383.74
ゴールド(NY金) 4,353.9 -4.53% 4,489.10 / 4,353.90
WTI原油 90.25 +3.31% 96.02 / 90.25

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • 米5月雇用統計が予想を大幅に上回る(6/5):非農業部門雇用者数(NFP)は+17.2万人と予想+8.5万人を大きく上回り、失業率は4.3%で横ばい。3月・4月分も合計+9.3万人上方修正され、労働市場の底堅さが確認されました。FRBの利下げ観測が後退してドル全面高・株安・金安のリスクオフに。
  • ドル円が約1カ月ぶりに160円台を回復(6/5):雇用統計の上振れで節目の160円を明確に上抜け、160.29円で週越え。160円台は政府・日銀の介入警戒ゾーンで、神経質な値動きが続いています。
  • 米5月ISM非製造業景況指数が54.5(6/3):予想53.0を上回り新規受注も57.3と堅調。同日のADP雇用統計も+12.2万人(予想+7.5万人)と上振れし、サービス業と雇用の強さがドル買いを後押ししました。
  • 中東情勢でWTI原油が乱高下(週前半):アメリカとイランの緊張激化でWTIは一時96ドル台(6/3)まで上昇しましたが、緊張緩和観測で週末にかけて90ドル近辺へ反落。週間では+3.31%でした。
  • NY株式市場が金曜に急反落(6/5):雇用統計の上振れで利下げ観測が後退し、S&P500は1日で-2.6%。週間でも-2.59%と最高値圏から調整しました。NYダウは週間-0.32%、日経平均は+0.39%とまちまちです。
  • NY金が週間-4.53%と大幅安:ドル高と米金利上昇観測で金曜に4,353ドルまで下落。週前半の4,489ドルから一転、利益確定売りに押されました。
  • オセアニア通貨が全面安:NZドルが対ドルで週間-3.17%と主要通貨で最弱、豪ドルも-1.85%。ドル高・リスクオフの直撃を受けました。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
6/1(月) 米国5月ISM製造業景況指数 52.7 53.0 54.0
6/2(火) 米国4月JOLTS求人件数 686.6万件 761.8万件
6/3(水) 米国5月ADP雇用統計 +10.5万人 +7.5万人 +12.2万人
6/3(水) 米国5月ISM非製造業景況指数 53.0 54.5
6/4(木) 米国新規失業保険申請件数 21.5万件 22.5万件
6/5(金) 米国5月雇用統計(NFP) +11.5万人 +8.5万人 +17.2万人
6/5(金) 米国5月失業率 4.3% 4.3% 4.3%

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 NZD/USD -3.17% 0.5798
2位 NZD/JPY -2.54% 92.938
3位 USD/CHF +1.95% 0.7962
4位 AUD/USD -1.85% 0.7050
5位 CHF/JPY -1.27% 201.323

NZドルとオセアニア通貨の下落、スイスフランの対ドル安が上位に並び、金曜の雇用統計を起点とするドル高・リスクオフが週間騰落の主役となりました。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++USD   +1.53%
2位 ++JPY   +0.79%
3位 --GBP   -0.32%
4位 --EUR   -0.61%
5位 --CAD   -0.70%
6位 --AUD   -1.53%
7位 --CHF   -1.61%
8位 --NZD   -2.86%

++USD+1.53%が圧倒的トップで、雇用統計の上振れによる利下げ観測の後退が週を通じてドル買いに直結しました。リスクオフ局面で++JPY+0.79%が次点となり、資源国通貨のNZドル(–NZD-2.86%)・豪ドル(–AUD-1.53%)とスイスフラン(–CHF-1.61%)が総じて軟調でした。

2. 今週の金融市場(6/8~6/12)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
6/8(月) 08:50 日本 1-3月期GDP2次速報(前期比年率) ★★ +2.1% +1.4%
6/10(水) 10:30 中国 5月CPI(前年比) ★★ +1.2% +1.3%
6/10(水) 21:30 米国 5月CPI(前年比) ★★★ +3.8% +4.2%
6/10(水) 21:30 米国 5月CPI(前月比) ★★★ +0.6% +0.5%
6/10(水) 22:45 カナダ BOC政策金利 ★★★ 2.25% 2.25%
6/11(木) 21:15 ユーロ圏 ECB政策金利(主要リファイナンス) ★★★ 2.15% 2.15%
6/11(木) 20:00 トルコ TCMB政策金利 ★★ 37.00% 37.00%
6/11(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数 ★★ 22.5万件
6/12(金) 23:00 米国 6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報 ★★

■ 今週のテーマ

  • 米5月CPIで利下げ観測の最終評価:6/10(水)の米5月CPIは前年比+4.2%(前回+3.8%)と加速の見込み。雇用統計に続く上振れなら利下げ観測が一段と後退し、ドル高圧力が強まります。
  • 中央銀行ラッシュ:BOC・ECB:6/10カナダ中銀(2.25%据え置き予想)、6/11 ECB理事会(2.15%据え置き予想)。声明と会見のトーンに注目です。
  • 160円台での介入警戒:USD/JPYが160円台を回復し、政府・日銀による円買い介入や口先介入への警戒が高まります。
  • FOMC前の最終週:6/16-17 FOMCを翌週に控え、CPIと雇用統計の上振れで据え置き観測が強まるなか、見通し(ドットチャート)の修正観測が焦点になります。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

ジリ上げで160円台に!ジェットコースターがゆっくり上昇しているみたいでスリルはあります。が、売買は難しそう。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

流れが変わったことを感じさせる長い陰線がドカンと出ました。これまでの水平線突き破ってるし、ドル買いが強まりそうな。

4. 気になる通貨ペア:USDCAD日足

ドル円よりもこっちのほうがジリ上げが明確で、バンドウォークしていて買いやすそうな形状。過去の高値付近に到達してどうなるか。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(6/7時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 5月の動き 次回会合
日本(日銀) 0.75% 6/16
米国(FRB) 3.75% 6/17(FOMC 6/16-17)
ユーロ圏(ECB) 2.15% 6/11
英国(BOE) 3.75% 6/18
カナダ(BOC) 2.25% 6/10
豪州(RBA) 4.35% 5月に+0.25%利上げ 6/16
ニュージーランド(RBNZ) 2.25% 7月
スイス(SNB) 0.00% 6/18
ノルウェー(Norges Bank) 4.25% 5月に+0.25%利上げ 6/18
スウェーデン(Riksbank) 1.75% 6/17

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 5月の動き 次回会合
中国(PBOC) 3.00% 6/22(LPR)
南アフリカ(SARB) 7.00% 5月に+0.25%利上げ 7/23
トルコ(TCMB) 37.00% 6/11
メキシコ(Banxico) 6.50% 6/26
香港(HKMA) 4.00% 6/18

5月は豪州・南アフリカ・ノルウェーが+0.25%の利上げに動いた一方、主要先進国の多くは据え置きでした。来週は6/10カナダ、6/11 ECBとトルコの会合が控え、いずれも据え置き予想ですが、米CPIの結果次第で各中銀のトーンに市場の注目が集まります。翌週には日銀(6/16)とFOMC(6/16-17)が続きます。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • トレイダーズ証券(みんなのFX・LIGHT FX):6月1日から「最大10万円が当たる!夏のプレゼントキャンペーン」を開始。抽選で現金が当たる季節企画です。
  • 外為どっとコム(外貨ネクストネオ):6月の「入金額に応じてスワップポイント最大60%増額キャンペーン」を実施。トルコリラ/円などの新興国通貨が対象で、新興国通貨は相場急変動のリスクに留意が必要です。
  • ヒロセ通商(LION FX):6月1日から5日にかけての各国祝日に伴い、一部通貨ペアでスワップポイントの付与日数が変則となる旨を告知しています。

7. シカウチから一言

ドル円は160円前後で変な動き、株価もめちゃ高いところにいて、いつくるかわからないけど、暴落相場もそう遠くないっていう感覚はあります。

ただ、株の世界で福の神で有名な藤本さんが、

「みんながそろそろ下がると思ってるときはまだ上がるし、もっと上がると思っているときは、そろそろ天井です」

って言っていたのを思い出しました。

どちらにせよ暴落のときに勇気を持って買いを仕込まないといけないことは、頭では分かってますw


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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