Trade Miwaさんの著書の付録のEA、「bol-HLt」の性能や特徴を、バックテストから探ってみます。
bol-HLtの特徴まとめ
- 『大衆心理FX』という本を買うと、もれなくもらえる
- ポンド円で稼働する
- 1つのEAを4種類の設定で使う
- 4時間足を基準にトレンドの初動から入り、トレール注文を利用してトレンドが長く続くほど利を伸ばす
参考リンク
『大衆心理FX』
Trader Miwaさんの著書。このEAがダウンロードするリンク付きと太っ腹な1冊。
バックテスト結果から分かるbol-HLtの特徴
Miwaさんの著書である『大衆心理FX』には、このEAに関する詳しい解説がありますが、あえてそれを忘れ、バックテストだけでいけるところまでEAの特徴を突き止めてみます。
損益グラフの角度が一定
岩ライザーの結果を見れば分かりやすいですが、10年間のバックテストにおける損益グラフはもちろん右肩上がりですが、さらにその角度がほぼ一定です。
ポンド円のトレンドフォロー型という印象から、意外と勝ったり負けたりが激しいのかなと思いつつ、長期的には安定したトレードをすることが分かります。
トレード回数は年間100回弱
10年弱(2014年1月~2023年9月)のバックテストで、979回のトレード回のトレードとなっているので、年間では90回程度でしょうか。
ただしこのトレード回数は、4種類のEAの合計です。4つのロジックは似ているため、全種類がまとめてエントリーすることもよくあるため、それも含めるとエントリーは月に数回といったところで、スイング型らしく、トレード回数は多くないといえます。
意外に勝率が高いのはトレール注文のおかげ
勝率が50.5%と、思った以上に高いです。これは、トレール注文を使っていることにより、ある程度エントリー方向に値動きが続いた場合、逆指値も移動し、それが建値を超えて順方向に移動した時点で、勝ちトレードが確定するからです。
言い換えると、小さく勝つパターンが多いです。ガッツリ長い距離を取るには、トレンドの勢いと持続時間に依存します。
スプレッド耐性が極めて高い
平均獲得が38.732pipsなので、スプレッドなどの取引コストが多少上がっても、勝ち分を脅かすことはありません。口座選びの重要性はきわめて低いといえます。
展開にはまると強い長距離砲
コンセプトが中長期のトレンドに乗って、できるだけ利を伸ばすことですから、展開がハマると圧倒的なパワーを発揮します。最大獲得は1117.3pipsと、10円を超えています。逆にいうと、バックテスト結果はこういった特大ホームランを含んでいるため、長く運用しないと成績が安定しないともいえます。
想定年間リターンはDD15%設定で14%前後
最大DDを資金の10%にするなら、年間想定リターンは約9%、資金の20%なら約18%です。この18%が、現実的なロット数の上限であり、少し安全性を優先して15%のDDまでを許容するなら、14%くらいになります。
ドローダウンはさほどきつくない
印象レベルになりますが、最大DDを全資金の13%ほどにしたロットの場合、10%の絶対DD発生は10年間で4回でした。最長の絶対DDの回復は287日で、もちろん長いといえば長いですが、強いトレンド発生を狙う性質を考えると、これくらいならまあいいかな、という感覚はあります。
フォワードテスト結果 Myfxbook

運用開始 | 2023/03/31 |
最終取引日 | 2023/09/01 |
増減率 | 2.51% |
中央付近の長い緑色の棒グラフは、6月20日の大勝ちですが、この1本があるから全体がプラスになっています。
また、ごく短い緑のグラフがありますが、これはトレールによる薄利での勝ち逃げです。
バックテスト結果 岩ライザー


4種類の設定のポートフォリオ、2014~2023年のバックテスト結果
ポートフォリオ内訳 | bol-HLt 4種類の設定 | |
バックテスト開始日 | 2014/01/02 | |
バックテスト終了日 | 2023/09/02 | |
テスト期間(日数) | 3530 | |
初期証拠金(ドル) | $10,000 | |
取引通貨ペア | ポンド円 | |
それぞれの取引ロット | 0.05 | |
総損益(ドル) | $11,794.36 | |
総損益(pips) | 37,918.20 | |
最大ドローダウン(ドル) | $1,341.00 | |
最大DDを初期証拠金の5%にした場合 | 取引ロット | 0.02 |
純益(ドル) | $4,398 | |
純益(円) | ¥648,024 | |
取引期間の想定年間リターン | 4.55% | |
最大DDを初期証拠金の10%にした場合 | 取引ロット | 0.04 |
純益(ドル) | $8,795 | |
純益(円) | ¥1,296,047 | |
取引期間の想定年間リターン | 9.09% | |
最大DDを初期証拠金の20%にした場合 | 取引ロット | 0.07 |
純益(ドル) | $17,590 | |
純益(円) | ¥2,592,094 | |
取引期間の想定年間リターン | 18.19% | |
1ドル= | ¥147.36 | |
バックテストの環境 | ●Tick Data Suite:Ducascopyのデフォルト設定から、スプレッドを「変動、最小スプレッド:20、最大スプレッド:20」に、スリッページを「有効」に変更して計測 ●岩ライザー:4種のテスト結果のポートフォリオ。資金管理設定=単利、証拠金リセット=リセット無し、初期証拠金選択=別で設定する、初期証拠金=10000 |
資金と許容DDから計算される取引ロットと想定リターン
10年間バックテストから計算した、取引資金と許容最大DDごとの取引ロット、想定リターン | |||
初期資金 | 受け入れる最大DD | 取引ロット | 年間想定リターン |
¥100,000 | 5% | 0.00 | ¥4,547 |
10% | 0.00 | ¥9,094 | |
20% | 0.01 | ¥18,188 | |
¥200,000 | 5% | 0.00 | ¥9,094 |
10% | 0.01 | ¥18,188 | |
20% | 0.01 | ¥36,377 | |
¥500,000 | 5% | 0.01 | ¥22,735 |
10% | 0.01 | ¥45,471 | |
20% | 0.03 | ¥90,942 | |
¥1,000,000 | 5% | 0.01 | ¥45,471 |
10% | 0.03 | ¥90,942 | |
20% | 0.05 | ¥181,884 |
岩ライザーによるドローダウンの分析
最大DD | 最大DD設定 | $1,000 |
最大通常DD | -$1,341 | |
通常DD発生回数 | 4 | |
年間平均通常DD回数 | 0.4回 | |
通常DD回復最大期間 | 287日 | |
通常DD回復平均期間 | 238日 | |
通常DD回復最小期間 | 168日 | |
相対DD設定 | 相対DD設定 | -10.00% |
最大相対DD | -10.80% | |
相対DD発生回数 | 2回 | |
年間平均相対DD回数 | 0.2回 | |
相対DD回復最大期間 | 259日 | |
相対DD回復平均期間 | 214日 | |
相対DD回復最小期間 | 168日 |