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先週の相場を動かしたのはAI投資の採算への懸念でした。ハイテク株が売り直され、日経平均は週間4.03%安の6万2,693円と7月30日以来の安値まで下げています。逃げ場として円と日本国債が買われ、ドル円は158円02銭から156円87銭へ、ユーロ円は1年ぶりの175円10銭を付けました。強弱の首位は豪ドル、最下位はフランスの購買担当者景気指数(PMI)が48.4まで落ちたユーロです。今週は28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、29日の欧州中央銀行(ECB)、30日の日銀が3日続きます。

ほかの連載もどうぞ

1. 先週の金融市場まとめ(10/19~10/23)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 156.870 -0.73% 158.500 / 156.770
EUR/USD 1.1202 -0.33% 1.1237 / 1.1202
EUR/JPY 175.720 -1.05% 177.730 / 175.720
GBP/JPY 209.770 -0.41% 211.620 / 209.770
AUD/JPY 110.360 +0.55% 111.100 / 109.950
GBP/USD 1.3369 +0.29% 1.3390 / 1.3303
日経平均 62,693.16 -4.03% 64,916.70 / 62,693.16
NYダウ 52,215.16 +0.41% 52,867.98 / 51,966.03
S&P500 7,623.68 -0.47% 7,757.17 / 7,623.68
ゴールド(NY金) 4,007.90 -4.14% 4,160.10 / 4,007.90
WTI原油 103.27 +1.83% 103.66 / 97.15

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。為替はみんかぶの公表四本値とYahoo!ファイナンス、株価指数はYahoo!ファイナンス、NY金とWTI原油はみんかぶ先物の確定値です。

■ 主要ニュース

  • AI投資への懸念でハイテク株が崩れ、日経平均は2週で9%下げた(10/22・10/23):22日はメタとテスラの決算を受けてAI関連の投資額と採算が改めて疑われ、半導体製造装置のラムリサーチが12%超下落しました。ナスダック総合は694.00ポイント安の26,008.86、S&P500は1.21%安です。東京市場も22日に1,713円40銭安の6万2,907円84銭(33業種のうち20業種が下落)、23日はさらに214円68銭下げて6万2,693円16銭と7月30日以来の安値で引けました。週間では4.03%安で、コアウィーブ・ショックの前週(5.37%安)と合わせて2週で9%を超える下げです。
  • 日本の9月コアCPIが9カ月ぶりに2%台へ戻った(10/23):全国消費者物価指数は総合が前年同月比2.1%(予想2.1%)、生鮮食料品を除くコアも2.1%と8月の1.7%から加速しました。食料品とエネルギーを除くコアコアは2.4%で、予想の2.3%を上回っています。コアが2%台に乗ったのは9カ月ぶりです。日銀は今週30日に会合を開き、同時に展望レポートを出します。数字のうえでは2%の目標に届いた形になり、据え置きを選ぶ場合はその理由の説明が要る場面になりました。
  • 円高の中身は買いではなく、売り持ちの巻き戻し(10/22・10/23):AI関連の信用不安から安全資産に資金が向かい、日本国債にも買いが入りました。20年債入札は記録的な好調で、国内金利の魅力が戻ったことも円を支えています。ドル円は22日に158円25銭から156円69銭まで売られ、23日は一時157円35銭まで戻したあと156円87銭で引け、この間に200日移動平均線を割り込みました。ただし現物の円買いが増えたというより、円売りポジションを閉じる動きが主体だとの指摘が多く、勢いが続きにくい面もあります。
  • 中東の供給不安でWTIは103ドル台、2つの供給リスクが並走(10/19~10/23):イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビアのエネルギー施設への攻撃、イランによるホルムズ海峡付近でのタンカー攻撃、米国務省がサウジアラビア駐在職員に出した退避指示が重なり、供給懸念が週を通じて残りました。23日は3ドル80セント高の103ドル27セントで、週間では1.83%高です。なお取引の中心は21日に11月限から12月限へ移っており、19日・20日の値(103.66ドル・101.79ドル)は11月限です。限月の乗り換えぶんだけ週間騰落率は実際の値動きより小さく出ます。
  • 米10年債が5%を割り、金も一緒に下げた(10/22・10/23):22日の米10年債利回りは0.17%低下して4.95%となり、10月に入って初めて5%を割りました。23日は原油高と強い指標で4.99%へ戻しています。金利が下がったのに金も売られたのが今週の特徴で、NY金12月限は22日に89ドル60セント安の4,060ドル40セント、23日もさらに52ドル50セント安の4,007ドル90セントまで下げました。週間では4.14%安です。株安で膨らんだ損失を埋めるために金を売る動きが出たので、安全資産という普段の役回りが働きませんでした。
  • 豪ドルが8通貨の首位、きっかけはRBA副総裁の発言(10/21):豪準備銀行(RBA)のハウザー副総裁が「インフレ見通しが8月予測よりも大幅に悪化」と述べ、追加利上げを織り込む動きが進みました。豪ドル米ドルは週間1.28%高の0.7041ドル、豪ドル円も0.55%高の110円36銭です。週間強弱では++AUD +0.91%で首位に立ちました。今週28日9:30に7-9月期の消費者物価指数(前期比の予想は1.2%)が出るので、ここで上振れれば11月3日の会合に向けて見方がさらに固まります。
  • 英9月CPIは3.5%へ加速、PMIも上振れ(10/21・10/23):9月の消費者物価指数は前年同月比3.5%(予想3.4%、前回3.1%)、コア指数も2.8%(前回2.6%)と上がりました。23日の10月購買担当者景気指数は製造業52.8(予想51.8)、サービス53.1(予想51.8)とそろって予想を超えています。一方で9月の小売売上高は前月比0.4%減(予想0.1%減)と弱く、物価と景況感は強いのに消費は鈍いという組み合わせです。イングランド銀行(BOE、英中央銀行)の次回会合は11月5日で、利上げに踏み切る理由は増えました。
  • フランスのPMIが48.4へ落ち、ユーロは8通貨で最下位(10/23):10月の購買担当者景気指数は、フランスが製造業49.3(予想50.5)、サービス48.4(予想50.7)と景況の分かれ目である50を割りました。ユーロ圏全体の総合も53.0から51.7へ下がっています。10月中旬からの財政不安で仏10年債利回りは24年ぶりの5%台に乗せたままで、景気と財政の両方がユーロの重しになりました。週間強弱は–EUR -0.69%で最下位、ユーロ円は1年ぶりの175円10銭まで下げています。今週29日のECBでは、フランス国債への対応が問われます。
  • 中国の7-9月期GDPは予想を上回った(10/19):実質国内総生産は前期比1.2%(予想0.9%)、前年同期比4.5%(予想4.4%)でした。同時に出た9月の小売売上高は前年同月比1.1%(予想0.5%)、鉱工業生産は5.5%(予想5.5%)と、個人消費のほうが上振れています。資源国通貨にとっては追い風で、週間強弱で豪ドルとカナダドルが1位・2位に並んだ背景のひとつです。今週31日10:30には10月の製造業購買担当者景気指数(予想50.1)が出ます。
  • トルコ中銀が5会合ぶりに利下げ、NZは物価が下振れ(10/22):トルコ中銀(TCMB)は政策金利を37.00%から36.00%へ1.00%引き下げ、5会合続いた据え置きから転じました。次回は12月10日です。ニュージーランドの7-9月期消費者物価は前期比0.7%(予想0.8%)、前年同期比3.7%(予想3.8%)といずれも予想を下回り、追加利上げへの確信は薄れました。それでも市場は今週28日10:00のニュージーランド準備銀行(RBNZ)で2.75%から3.00%への引き上げを見込んでいます。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
10/19(月) 中国7-9月期四半期国内総生産(GDP、前期比) 0.9% 0.9% 1.2%
10/19(月) 中国7-9月期四半期国内総生産(GDP、前年同期比) 4.3% 4.4% 4.5%
10/19(月) 中国9月小売売上高(前年同月比) 0.4% 0.5% 1.1%
10/19(月) カナダ9月消費者物価指数(CPI、前年同月比) 3.0% 3.2% 3.1%
10/19(月) 米国10月NAHB住宅市場指数 32 31 29
10/20(火) 英国8月失業率(ILO方式) 4.9% 4.9% 4.7%
10/20(火) ドイツ10月ZEW景況感調査(期待指数) 34.7 30.0 28.1
10/20(火) ハンガリー国立銀行(MNB)政策金利 5.50% 5.50% 5.50%
10/20(火) 米国9月住宅着工件数(年率換算) 127.5万件 130.0万件 122.1万件
10/20(火) 米国9月住宅販売保留指数(前月比) 0.3% -1.0% -7.3%
10/21(水) 日本9月貿易統計(通関ベース、季調前) -1兆1056億円 -1810億円 -5366億円
10/21(水) 英国9月消費者物価指数(CPI、前年同月比) 3.1% 3.4% 3.5%
10/21(水) 南アフリカ9月消費者物価指数(CPI、前年同月比) 4.4% 4.7% 4.5%
10/22(木) ニュージーランド7-9月期四半期消費者物価(CPI、前年同期比) 4.1% 3.8% 3.7%
10/22(木) トルコ中銀(TCMB)政策金利 37.00% 36.00% 36.00%
10/22(木) 米国前週分新規失業保険申請件数 19.9万件 20.0万件 19.4万件
10/22(木) ユーロ圏10月消費者信頼感(速報値) -16.5 -17.0 -17.9
10/22(木) 米国9月景気先行指標総合指数(前月比) -0.1% -0.1% 0.0%
10/23(金) 日本9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く、前年同月比) 1.7% 2.1% 2.1%
10/23(金) 日本9月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く、前年同月比) 1.9% 2.3% 2.4%
10/23(金) 英国9月小売売上高(前月比) 0.5% -0.1% -0.4%
10/23(金) フランス10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 51.2 50.7 48.4
10/23(金) ユーロ圏10月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値) 53.0 52.5 51.7
10/23(金) 英国10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値) 52.1 51.8 53.1
10/23(金) ロシア中銀政策金利 14.00% 14.00% 14.00%
10/23(金) カナダ8月小売売上高(前月比) -0.7% 1.3% 1.2%
10/23(金) 米国10月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値) 58.4 57.4 57.6
10/23(金) 米国10月ミシガン大学消費者態度指数(確報値) 46.3 46.3 48.0

■ 週間の通貨強弱&騰落率TOP5

週間の通貨強弱&騰落率TOP5
1位 ++AUD   +0.91%
2位 ++CAD   +0.56%
3位 ++JPY   +0.36%
4位 ++NZD   +0.29%
5位 +GBP    +0.19%
6位 --USD   -0.49%
7位 --CHF   -0.52%
8位 --EUR   -0.69%

首位は++AUD +0.91%でした。RBAハウザー副総裁がインフレ見通しの悪化に触れたので、追加利上げを見込む買いが入っています。2位の++CAD(+0.56%)は原油高の素直な反映で、上位2つが資源国通貨という並びです。3位に円(+0.36%)が入ったのはAI関連の信用不安からの逃避で、買われた理由は上の2つと逆向きです。1位の豪ドルと8位のユーロの差は1.60ポイントと、前週の1.34ポイントから広がりました。最下位のユーロはフランスのPMIが50を割ったことと財政不安が重なり、7位のスイスフラン(-0.52%)も安全通貨としては買われませんでした。6位の–USD(-0.49%)は長期金利が5%を割った週前半の下げが残った形です。

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 AUD/USD +1.28% 0.7041
2位 EUR/JPY -1.05% 175.720
3位 CHF/JPY -0.97% 189.740
4位 USD/CAD -0.91% 1.3999
5位 USD/JPY -0.73% 156.870

TOP5は円クロスとドルストレートが混在しました。1位の豪ドル米ドル(+1.28%)だけが突出していて、2位のユーロ円(-1.05%)から5位のドル円(-0.73%)までは1ポイント前後に収まっています。2位・3位のユーロ円とスイスフラン(-0.97%)はどちらも円が買われた側で、4位のドルカナダ(-0.91%)は原油高でカナダドルが買われたぶんです。先週は上位3本がドルストレートでしたが、今週はドル絡みが2本に減りました。主役がドルから資源国通貨と円へ移った一週間です。

■ 平均値幅(1日あたり)

平均値幅(1日あたり)
  • 市場全体:主要6ペアの今週の平均値幅は、今月平均の0.99倍(6本中3本が今月平均超え)
  • ドル円:今週96銭/今月89銭/半年100銭(今週は今月平均の1.08倍)
  • ユーロドル:今週50pips/今月67pips/半年56pips(今週は今月平均の0.74倍)
  • ユーロ円:今週117銭/今月124銭/半年112銭(今週は今月平均の0.94倍)
  • ポンド円:今週130銭/今月138銭/半年140銭(今週は今月平均の0.94倍)

※値幅は1日の高値と安値の差(前日終値を含む真の値幅)。今週=直近5営業日、今月=直近20営業日、半年=直近130営業日の1日あたり平均です。

2. 今週の金融市場(10/26~10/30)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 国 指標・イベント 重要度 前回 予想
10/26(月) 18:00 ドイツ 10月IFO企業景況感指数 ★★ 89.9 89.9
10/27(火) - 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 ★★ - -
10/27(火) 21:30 米国 9月耐久財受注(前月比) ★★ -0.1% 1.7%
10/27(火) 23:00 米国 9月新築住宅販売件数(年率換算) ★★★ 68.4万件 65.0万件
10/27(火) 23:00 米国 10月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) ★★ 81.9 80.5
10/28(水) 09:30 豪州 7-9月期四半期消費者物価(CPI、前期比) ★★ 0.6% 1.2%
10/28(水) 10:00 ニュージーランド ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利 ★★★ 2.75% 3.00%
10/28(水) 22:45 カナダ カナダ銀行(BOC)政策金利 ★★★ 2.25% 2.25%
10/28(水) 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表 ★★★ 3.75-4.00% 3.75-4.00%
10/28(水) 27:30 米国 ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見 ★★★ - -
10/29(木) - 日本 日銀・金融政策決定会合(1日目) ★★ - -
10/29(木) 21:30 米国 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値、前期比年率) ★★★ 2.2% 3.2%
10/29(木) 21:30 米国 9月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、前年同月比) ★★★ 3.0% 3.1%
10/29(木) 22:15 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利 ★★★ 2.65%(主要政策金利) 2.65%
10/29(木) 22:45 ユーロ圏 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見 ★★★ - -
10/30(金) 08:30 日本 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く、前年同月比) ★★ 2.7% 2.6%
10/30(金) - 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表/展望レポート ★★★ 1.25% 1.25%
10/30(金) 15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見 ★★★ - -
10/30(金) 18:00 ドイツ 7-9月期国内総生産(GDP、速報値、前期比) ★★★ 0.3% 0.1%
10/30(金) 19:00 ユーロ圏 7-9月期四半期域内総生産(GDP、速報値、前期比) ★★★ 0.6% 0.2%
10/30(金) 21:30 カナダ 8月月次国内総生産(GDP、前月比) ★★★ 0.0% 0.2%
10/30(金) 21:30 米国 7-9月期四半期雇用コスト指数(前期比) ★★★ 0.9% 0.8%
10/31(土) 10:30 中国 10月製造業購買担当者景気指数(PMI) ★★ 50.1 50.1

■ 今週のテーマ

  • 28日・29日・30日と中央銀行が3日続く:今週の軸は会合です。28日27:00に米連邦公開市場委員会(FOMC)、29日22:15に欧州中央銀行(ECB)、30日に日銀と並び、同じ28日にはニュージーランド準備銀行とカナダ銀行も政策金利を発表します。FOMCは3.75-4.00%での据え置き予想で、焦点は12月の利上げをどう示すかです。市場は12月の引き上げを8割ほど織り込んでいるので、ウォーシュ議長が27:30の会見でそこに触れるかどうかでドルの振れ方が変わります。RBNZは2.75%から3.00%への引き上げ、カナダは2.25%で据え置きという見立てです。
  • 30日の日銀、2%に届いた物価と据え置き予想のすり合わせ:23日の9月全国コアCPIが2.1%へ乗ったあとの会合です。政策金利は1.25%での据え置きが見込まれていますが、同時に出る展望レポートで2027年度の物価見通しが上方修正されるとの観測があります。15:30の植田総裁の記者会見では、2%の目標に届いたと言い切るのか、次の一手をどう示すのかが読まれます。朝8:30には10月の東京都区部CPI(コアの予想は2.6%)も出るので、会合の結果と合わせて円の方向が決まりやすい一日です。
  • 29日の米7-9月期GDPとコアPCE、それに大手クラウド企業の決算:21:30に実質GDP速報値(前期比年率の予想3.2%)と9月のコアPCEデフレーター(前年同月比の予想3.1%)が同時に出ます。FRBが物価の判断で重く見るのはCPIよりPCEなので、FOMCの翌日にこれが出る順番は効きます。27日23:00の9月新築住宅販売件数(予想65.0万件、前回68.4万件)も住宅の弱さを確かめる材料です。先週ハイテク株を売らせたAI投資への懸念は、今週の大手クラウド企業の決算で改めて試されます。
  • 豪州の物価と、ユーロ圏のGDP:28日9:30の豪州7-9月期消費者物価は前期比1.2%(前回0.6%)への加速予想で、上振れれば11月3日のRBAに向けて先週首位だった豪ドルの買いが続きやすくなります。30日は18:00のドイツと19:00のユーロ圏の7-9月期GDP速報値がそろい、どちらも前期から減速する予想です。先週フランスの購買担当者景気指数が50を割ったばかりなので、29日のECBでフランス国債への対応が問われる流れとつながります。31日10:30には中国の10月製造業PMI(予想50.1)も控えます。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

いわゆる綺麗なチャートではないですね。難しいな、よくわからんなと感じながらおなじみの通貨ペアを無理矢理トレードするくらいなら、このあと出てくるユーロ絡みの下降トレンドを狙った方が良いという考え方です。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

フランスで街が燃えるみたいな過激な暴動が起きていて、ユーロが売られています。ただユーロドルは、そこまでゴリゴリに下げていません。

とはいえ、日足ボリンジャーバンド(21)を超えられず、下向きになっているので、売るorやらないは明確。

4. 気になる通貨ペア:EURCAD

売ってました。で、1.568くらいの過去の安値水準に到達したので、いったん売買は停止してました。ここを割り込んだら追撃OK。

トレンドライン(赤)、水平線(水色)を下に抜けているため、下降トレンドは明確です。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(10/25時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
日本(日銀) 1.25% 2026年9月 +0.25% 10月30日(今週金曜)
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.75-4.00% 2026年9月 +0.25% 10月28日(今週水曜)
ユーロ圏(ECB、European Central Bank) 2.50%(預金ファシリティ) 2026年9月 +0.25% 10月29日(今週木曜)
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 2025年12月 -0.25% 11月5日
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 2025年10月 -0.25% 10月28日(今週水曜)
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.60% 2026年9月 +0.25% 11月3日
ニュージーランド(RBNZ) 2.75% 2026年9月 +0.25% 10月28日(今週水曜)
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 2025年6月 -0.25% 12月10日
ノルウェー(Norges Bank) 4.50% 2026年9月 +0.25% 11月5日
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 2025年9月 -0.25% 11月4日

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
香港 4.25% 2026年9月 +0.25% 10月29日(今週木曜)
中国(最優遇貸出金利・1年) 3.00% 2025年5月 -0.10% 11月20日
南アフリカ(SARB) 7.25% 2026年9月 +0.25% 11月19日
トルコ(TCMB) 36.00% 2026年10月 -1.00% 12月10日
メキシコ(Banxico) 6.50% 2026年5月 -0.25% 11月5日
ロシア(CBR) 14.00% 2026年7月 -0.25% 12月18日
ハンガリー(MNB) 5.50% 2026年8月 -0.25% 11月17日
チェコ(CNB) 3.75% 2026年6月 +0.25% 11月5日
ポーランド(NBP) 3.75% 2026年3月 -0.25% 11月4日

先週動いたのはトルコ中銀で、37.00%から36.00%へ1.00%引き下げました。5会合続いた据え置きからの転換です。ハンガリー国立銀行は5.50%、ロシア中銀は14.00%でいずれも据え置いています。今週は28日に米国・ニュージーランド・カナダ、29日にユーロ圏と香港、30日に日本と、主要国の会合が3日間に集中します。米国は3.75-4.00%、ユーロ圏と日本も据え置きの予想で、動くとみられているのはニュージーランドの2.75%から3.00%への引き上げだけです。そのぶん声明と記者会見の中身に相場が反応しやすい週になります。

主要15通貨の金利見通しマップ

主要15通貨の金利見通しマップ

15通貨のうち利上げ局面にあるのは米国・ユーロ圏・日本・豪州・南アフリカ・ノルウェーの6行で、先週から変わっていません。マイナー通貨では区分が1つ動きました。22日に利下げしたトルコ中銀を、ハト派寄りの据え置きから利下げ局面へ移しています。これで15通貨に利下げ局面の中銀が1行だけ現れた形です。マイナー通貨の会合は来週にかたまっています。4日にスウェーデン中銀とポーランド国立銀行、5日にメキシコ銀行とノルウェー中銀が続き、据え置きを続けているハンガリー国立銀行は11月17日です。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • GMOクリック証券:10月14日、2026年11月28日(土)からログインをパスキー認証のみにすると発表しました(関東財務局長(金商)第77号)。グループのGMO外貨が10月17日に同じ必須化を終えたばかりで、足並みがそろう形です。
    パスキーは、スマートフォンやパソコン本体のロック解除機能(Face ID、指紋認証、Windows Helloなど)をそのままログインに使う仕組みです。IDとパスワードを打ち込む工程がなくなるので、フィッシングで文字列を盗まれる余地そのものが消えます。
    注意したいのは未設定だった場合の扱いです。IDとパスワードでのログイン自体は続けられますが、設定を終えるまで取引や出金などに規制がかかるとされています。期限まであと1カ月なので、複数の端末を使っているなら、GoogleパスワードマネージャーやiCloudキーチェーンでパスキーを同期させたうえで、そのアカウント自体の二要素認証も確認しておきたいところです。
    ▼GMOクリック証券(公式)2026年11月28日(土)よりログインはパスキー認証のみになります
  • 外為どっとコム:9月末から並行して走らせてきたキャンペーン3本が、今週31日(土)の朝で期限を迎えます(関東財務局長(金商)第262号)。業界最狭水準スプレッドキャンペーン(31日3:00まで)、入金額に応じたスワップポイント最大30%増額(31日5:55まで)、取引数量と入金額に応じた最大300万円の大還元キャッシュバック(31日5:55まで)の3つです。
    スプレッドのほうは高金利通貨にも手が入っており、トルコリラ/円を1.2銭で提供しています。22日にトルコ中銀が36.00%へ利下げしたあとも、水準としてはまだ高金利通貨の一角です。
    期限が残っているものもあります。らくつむトルコリラ/円の買付コストにFXポイントを出す企画は31日5:50まで、ポンドリラの高スワップ還元は12月31日まで、らくらくFX積立のお試しは2027年4月1日までです。条件の細かい企画が多いので、申し込みが要るものと自動で対象になるものの区別は先に見ておくほうが取りこぼしがありません。
    ▼外為どっとコム(公式)キャンペーン一覧
  • SBI FXトレード:10月1日から11月13日16時までの日程で新規口座開設キャンペーンを実施しています(関東財務局長(金商)第2635号)。設立15周年を記念して条件をグレードアップした内容です。
    口座開設の期限は今週31日(土)で、そのうえで11月13日16時までにエントリーした人全員に1,000円がキャッシュバックされます。取引量に応じた上乗せが最大100万円、合計では最大150万1,000円という設計です。
    同社はこのほかに、15の世界遺産から行き先を選べるペア旅行が当たるキャンペーンも走らせています。口座開設分のキャッシュバックは開設とエントリーの二段構えなので、口座を作っただけでは対象にならない点は押さえておきたいところです。
    ▼SBI FXトレード(公式)2026年10月 新規口座開設キャンペーン

7. シカウチから一言

「【随時更新】お名前.comデスクトップクラウド不正アクセスまとめ FX口座の不正取引と各社の対応」(note)にも書きましたが、お名前.comの不正アクセス事件で、シストレ界隈は揺れています(裁量トレーダーには関係ないです)。

詳しくは記事にて。

こうやってシステムトレードはやっぱり危険だ、MT4やMT5なんていじるもんじゃない、みたいな本質とは関係ないけど、そういわれるもしかたないみたいな状態になっていきそうで残念です。

世界的に起きているAIを使ったセキュリティ信用の破壊と、プラットフォームの問題が連動してしまったのは事実とはいえ。

私はお名前はたまたま使ってなかったらから被害はないですが、運用の環境の見直しを断行し、けっこう時間はかかりました。ものすごい量のEAを動かしているので。

この余波で、ただでさえ小さい国内MT4、MT5業者が倒れたりしないかを心配しています。


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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