米9月の購買担当者景気指数(PMI)が3本そろって大きく上振れし、米10年債利回りは一時5.22%と2007年6月以来の高水準へ。ドルは主要8通貨で最強となりました。ところが金曜夜、片山財務相とベッセント米財務長官が「円の過小評価は問題」との認識を再確認したと伝わると円の買い戻しが広がり、ドル円は158円83銭から157円18銭まで水準を落として越週しています。今週は29日の豪準備銀行(RBA)と10月2日の米雇用統計が待ち構えます。

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1. 先週の金融市場まとめ(9/21~9/25)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 157.185 +0.21% 158.832 / 157.185
EUR/USD 1.1392 -0.84% 1.1468 / 1.1383
EUR/JPY 179.117 -0.58% 180.750 / 179.117
GBP/JPY 208.236 -0.90% 210.282 / 208.236
AUD/JPY 110.433 -1.11% 111.980 / 110.433
GBP/USD 1.3246 -1.10% 1.3369 / 1.3219
日経平均 66,364.20 +2.07% 66,364.20 / 65,513.99
NYダウ 51,828.62 +0.28% 52,048.83 / 51,349.98
S&P500 7,743.41 +1.21% 7,764.70 / 7,704.13
ゴールド(NY金) 4,321.2 -2.34% 4,383.90 / 4,298.00
WTI原油 92.41 -7.87% 95.78 / 92.16

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。為替と株価指数はYahoo!ファイナンス、NY金とWTI原油はみんかぶ先物の確定値です。WTI原油は週の途中で10月限から11月限へ交代しているため、週間騰落率は実際の値動きより下げ幅が大きく出ています。

■ 主要ニュース

  • 日米首脳会談でトランプ大統領が円安に言及(現地9/22):高市総理とトランプ大統領がニューヨークで約35分間会談し、経済安全保障や中国をめぐる諸課題での連携を確認しました。一方でトランプ大統領からは「円安で米国の貿易が厳しい」との発言があったと、のちに片山財務相が明らかにしています。
  • 米9月PMI速報値が3本そろって大幅上振れ(9/23):製造業57.0(前回53.9)、サービス部門58.7(同56.5)、総合58.4(同56.0)。事前に織り込まれていた米景気の減速シナリオが真っ向から否定された形で、FRB(米連邦準備理事会)の追加利上げ観測が一気に強まりました。
  • 米10年債利回りが19年3カ月ぶりの高水準(9/23~9/24):PMIを受けて23日に5.11%へ急騰し、取引時間中には一時5.1329%。24日にはFRB高官のタカ派発言が重なり、一時5.2209%と2007年6月以来の水準を付けました。25日は原油安を受けて5.16%へ低下しています。
  • FRB高官から追加利上げを示唆する発言が相次ぐ(9/24):FOMC(米連邦公開市場委員会)で投票権を持つハマック・クリーブランド連銀総裁が「インフレ圧力はなお高く、この状況が長引くほど目標水準に押し下げることは困難になる」と述べ、ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁も「インフレ抑制のため追加利上げが必要になる可能性がある」との考えを示しました。
  • 片山財務相とベッセント米財務長官が電話会談(9/25夜):財務省によると約20分間のオンライン協議で、「円の過小評価は問題であるという点を再確認した」とのことです。報道を受けてニューヨーク市場では当局の円安是正介入への警戒から円の買い戻しが優勢となり、ドル円は157円77銭から156円94銭まで水準を切り下げました。
  • 原油が米国・イラン協議の進展観測で大きく下落(週を通じて):トランプ大統領とイランのペゼシュキアン大統領の会合観測(21日)に続き、イラン側の「7日以内にホルムズ海峡を再開する用意がある」との報道(22日)が重なって供給不安が後退。WTI原油先物11月限は25日に92.41ドル(前日比2.20ドル安)で引けました。
  • 南アフリカ準備銀行が0.25%の追加利上げ(9/23):政策金利を7.00%から7.25%へ引き上げました。市場予想どおりで、5月に続く年内2度目の利上げです。
  • ノルウェー中銀が利上げ、スイス・スウェーデン・メキシコは据え置き(9/24):ノルウェー中銀は4.25%から4.50%へ(予想どおり)。スイス国立銀行は0.00%、スウェーデン中銀は1.75%、メキシコ中銀は6.50%でいずれも据え置きでした。ハンガリー国立銀行も22日に5.50%で据え置き、あわせて物価目標を2028年から2.5%へ引き下げると公表しています。
  • 米8月新築住宅販売件数が大幅上振れ(9/24):年率換算で68.4万件(予想61.5万件、前回60.7万件)、前月比はプラス6.4%。住宅関連にも底堅さが確認され、米金利の上昇を後押ししました。
  • 日経平均が5営業日続伸、850円高の66,364円(9/25):日本は21日から23日まで3連休で、東京市場が動いたのは24日と25日の2日だけでした。それでもAI・半導体関連と銀行株が買われ、週間では2.07%高となっています。

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
9/22(火) ユーロ圏9月消費者信頼感(速報値) -15.5 -16.0 -16.5
9/23(水) 南アフリカ準備銀行 政策金利 7.00% 7.25% 7.25%
9/23(水) ユーロ圏9月サービス部門PMI(速報値) 51.6 51.4 53.0
9/23(水) 米国9月製造業PMI(速報値) 53.9 53.7 57.0
9/23(水) 米国9月サービス部門PMI(速報値) 56.5 55.9 58.7
9/23(水) 米国9月総合PMI(速報値) 56.0 54.9 58.4
9/24(木) 豪州8月新規雇用者数 -1.58万人 2.00万人 3.95万人
9/24(木) スイス国立銀行 政策金利 0.00% 0.00% 0.00%
9/24(木) ノルウェー中銀 政策金利 4.25% 4.50% 4.50%
9/24(木) スウェーデン中銀 政策金利 1.75% 1.75% 1.75%
9/24(木) ドイツ9月IFO企業景況感指数 88.8 89.0 89.9
9/24(木) 米国8月新築住宅販売件数(年率換算) 60.7万件 61.5万件 68.4万件
9/24(木) メキシコ中銀 政策金利 6.50% 6.50% 6.50%
9/25(金) 米国8月耐久財受注(前月比) 1.1% -0.3% 0.0%
9/25(金) 米国9月ミシガン大学消費者態度指数(確報値) 47.8 47.5 48.1

■ 週間の通貨強弱&騰落率TOP5

1位 ++USD   +0.94%
2位 ++JPY   +0.67%
3位 --EUR   -0.36%
4位 --CHF   -0.66%
5位 --GBP   -0.78%
6位 --CAD   -1.00%
7位 --NZD   -1.03%
8位 --AUD   -1.23%

米金利の急騰を映して++USD +0.94%が首位。2位の++JPY +0.67%は、金曜の日米財務相会談を受けた円の買い戻しでプラス圏に浮上したものです。残る6通貨はすべてマイナスで、なかでも原油安と資源安が重なった豪ドル(-1.23%)とNZドル(-1.03%)の下げが目立ちました。

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 AUD/USD -1.34% 0.7026
2位 NZD/USD -1.14% 0.5659
3位 USD/CAD +1.14% 1.4141
4位 AUD/JPY -1.11% 110.433
5位 GBP/USD -1.10% 1.3246

TOP5のうち4本が米ドル買いと資源国通貨売りの組み合わせで、ドル高と資源国通貨安が同時に進んだ一週間だったことが分かります。ドル円は週の高値158円83銭から金曜に1円65銭下げたため、週間ではプラス0.21%にとどまりました。

■ 平均値幅(1日あたり)

  • 市場全体:主要6ペアの今週の平均値幅は、今月平均の0.85倍(6本中1本が今月平均超え)
  • ドル円:今週124銭/今月149銭/半年99銭(今週は今月平均の0.83倍)
  • ユーロドル:今週49pips/今月47pips/半年57pips(今週は今月平均の1.04倍)
  • ユーロ円:今週112銭/今月138銭/半年106銭(今週は今月平均の0.81倍)
  • ポンド円:今週132銭/今月168銭/半年136銭(今週は今月平均の0.78倍)

※値幅は1日の高値と安値の差(前日終値を含む真の値幅)。今週=直近5営業日、今月=直近20営業日、半年=直近130営業日の1日あたり平均です。

2. 今週の金融市場(9/28~10/2)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 国 指標・イベント 重要度 前回 予想
9/28(月) 08:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨 ★★★ - -
9/28(月) 23:00 ユーロ圏 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言 ★★ - -
9/29(火) 13:30 豪州 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表 ★★★ 4.35% 4.60%
9/29(火) 21:30 カナダ 7月月次国内総生産(GDP、前月比) ★★★ 0.3% 0.1%
9/29(火) 23:00 米国 9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) ★★ 89.4 90.0
9/30(水) 10:30 豪州 8月消費者物価指数(CPI、前年同月比) ★★ 3.5% 4.1%
9/30(水) 15:00 英国 4-6月期国内総生産(GDP、改定値、前期比) ★★★ 0.4% 0.4%
9/30(水) 21:00 ドイツ 9月消費者物価指数(CPI、速報値、前年同月比) ★★ 2.9% 3.1%
9/30(水) 21:15 米国 9月ADP雇用統計(前月比) ★★★ 3.8万人 7.0万人
9/30(水) 21:30 米国 8月コアPCEデフレーター(前年同月比) ★★★ 3.3% 3.3%
9/30(水) 21:30 米国 4-6月期実質国内総生産(GDP、確定値、前期比年率) ★★★ 1.5% 1.5%
10/1(木) 08:50 日本 7-9月期日銀短観・大企業製造業業況判断 ★★★ 22 25
10/1(木) 23:00 米国 9月ISM製造業景況指数 ★★★ 54.6 55.0
10/2(金) 18:00 ユーロ圏 9月消費者物価指数(HICP、速報値、前年同月比) ★★★ 3.2% 3.7%
10/2(金) 21:30 米国 9月非農業部門雇用者数変化(前月比) ★★★ 16.2万人 10.0万人
10/2(金) 21:30 米国 9月失業率 ★★★ 4.1% 4.1%
10/2(金) 21:30 米国 9月平均時給(前年同月比) ★★★ 3.1% 3.2%

■ 今週のテーマ

  • 豪準備銀行(RBA)が5月以来の利上げに動くか:29日13:30。市場予想は4.35%から4.60%への引き上げです。翌30日には8月消費者物価指数(前年同月比3.5%から4.1%へ加速の予想)も控え、先週8通貨で最弱だった豪ドルにとって流れが変わるかどうかの2日間になります。
  • 米8月コアPCEデフレーターと4-6月期GDP確定値:30日21:30。コアPCEは前年同月比3.3%予想で、FRBが最も重視する物価指標です。先週のPMI上振れで追加利上げ観測が強まった直後だけに、上振れすれば米金利にもう一段の上昇余地が意識されます。
  • 米雇用統計とISM製造業景況指数:1日23:00にISM製造業(55.0予想)、2日21:30に9月雇用統計。非農業部門雇用者数は10.0万人と前回16.2万人からの減速見込みで、失業率は4.1%横ばい予想です。週の最後に最大の山場が来ます。
  • 介入警戒の持続力と日銀短観:金曜の日米財務相会談を受けて、当局の円安是正姿勢がどこまで相場に効き続けるかが週明けの焦点です。28日には日銀の金融政策決定会合議事要旨、1日には7-9月期短観(大企業製造業の業況判断は25予想)が出ます。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

木曜までは上昇していたものの、金曜の片山ベッセントMTGで急落。平行チャネルくさい動きになってきました。

しばらくは材料に振り回されたり、ボラが急変動する難しい動きが続くと思います。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMAを表示

こちらはあまり流れがない感じ。ずいぶん前に引いた斜めのトレンドラインにぶつかりました。

やっぱり相場参加者は、昔に引いた線に固執して、長く使い続けるんじゃないかと思っています。

4. 気になる通貨ペア:USDCAD

先週に続いてこちら。Xでも書いたとおり、こういう一定のペースのトレンドは長く続きやすいです。ボリンジャーバンドの幅が一定だし。

逆にボリンジャーバンドの幅が広がってボラが上がるタイプのトレンドは、いずれ終わって揺り戻りが来ます。いわゆる上下に波打つタイプの相場でよく見られる形。

綺麗なダブルボトムから始まっているのもポイント

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(9/27時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
日本(日銀) 1.25% 2026年9月 +0.25% 10月30日
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.75-4.00% 2026年9月 +0.25% 10月28日
ユーロ圏(ECB、European Central Bank) 2.50%(預金ファシリティ) 2026年9月 +0.25% 10月29日
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 2025年12月 -0.25% 11月5日
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 2025年10月 -0.25% 10月28日
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.35% 2026年5月 +0.25% 9月29日(今週火曜)
ニュージーランド(RBNZ) 2.75% 2026年9月 +0.25% 10月28日
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 2025年6月 -0.25% 12月10日
ノルウェー(Norges Bank) 4.50% 2026年9月 +0.25% 11月5日
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 2025年9月 -0.25% 11月4日

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
香港 4.25% 2026年9月 +0.25% 10月28日
中国(最優遇貸出金利・1年) 3.00% 2025年5月 -0.10% 10月20日
南アフリカ(SARB) 7.25% 2026年9月 +0.25% 11月19日
トルコ(TCMB) 37.00% 2026年1月 -1.00% 10月22日
メキシコ(Banxico) 6.50% 2026年5月 -0.25% 11月5日
ロシア(CBR) 14.00% 2026年7月 -0.25% 10月23日
ハンガリー(MNB) 5.50% 2026年8月 -0.25% 10月20日
チェコ(CNB) 3.75% 2026年6月 +0.25% 11月5日
ポーランド(NBP) 3.75% 2026年3月 -0.25% 10月7日

先週は南アフリカが7.25%、ノルウェーが4.50%へそろって利上げし、利上げ局面にある中央銀行は米国・日本・ユーロ圏にこの2行を加えた5行になりました。スイス(0.00%)、スウェーデン(1.75%)、メキシコ(6.50%)はいずれも据え置きです。マイナー通貨ではハンガリーが利下げをいったん止め、物価目標を2028年から2.5%へ引き下げると公表しました。今週は29日の豪準備銀行が最大の節目で、市場は4.60%への利上げを見込んでいます。

主要15通貨の金利見通しマップ

利上げ局面にあるのは米国・日本・ユーロ圏に南アフリカとノルウェーを加えた5行に増えました。今週は29日の豪準備銀行が4.60%への利上げを見込まれており、据え置き・タカ派の並びから抜け出すかが焦点です。マイナー通貨ではハンガリーが利下げをいったん止め、据え置き・ハト派へ位置を移しています。

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6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

7. シカウチから一言

この記事で書いた通り、わっきゃいさんの手法、Wemofに挑戦していて、途中まではうまくいっていたものの、金曜のファンダの動きに刃向かってボコられました。

もちろん入るべきじゃない場面だったことは、あとで振り返ると明確なんですけど、稼ぎたい気持ちが強すぎるとだめね…。

裁量トレードはまだまだこれからです。もっと経験して上手くなりたい。

その反面、EAによる自動売買は好調そのものです。


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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