今週(7/13~7/17)は中東情勢の再緊迫に揺れた1週間でした。米国とイランの軍事的応酬の再燃でWTI原油は週間+14.4%と急騰し、日経平均は週間4,416円安と過去最大の週間下落幅を記録。米CPI・PPIの下振れをはさみながらも有事のドル買いが下支えし、ドル円は162円台前半で週を越えました。来週は7/23のECB理事会と中東ヘッドラインが焦点です。

1. 先週の金融市場まとめ(7/13~7/17)

■ 主要銘柄の週間騰落

銘柄 金曜終値 週間騰落率 週間レンジ(H/L)
USD/JPY 162.353 +0.42% 162.432 / 162.172
EUR/USD 1.1440 +0.21% 1.1467 / 1.1384
EUR/JPY 185.737 +0.63% 185.956 / 184.917
GBP/JPY 218.431 +0.81% 219.573 / 216.801
AUD/JPY 113.391 +0.83% 113.666 / 112.395
GBP/USD 1.3454 +0.39% 1.3539 / 1.3347
日経平均 64,141.12 -6.44% 68,751.51 / 64,141.12
NYダウ 52,146.42 -0.93% 52,658.64 / 52,146.42
S&P500 7,457.69 -1.55% 7,572.40 / 7,457.69
ゴールド(NY金) 4,018.8 -2.67% 4,069.70 / 3,992.10
WTI原油 81.78 +14.36% 81.78 / 78.14

※週間騰落率は先週金曜NY引けに対する金曜NY引けの変化率。週間レンジは月~金の終値ベースの高安。FX・株価指数・コモディティはYahoo!ファイナンスJP(確定終値)より取得。

■ 主要ニュース

  • トランプ米大統領がホルムズ海峡でのイラン船舶航行封鎖の再開を宣言。イラン革命防衛隊も海峡封鎖を表明し、米中央軍はイラン国内約140カ所への報復空爆を発表。米イランの軍事的応酬が再燃し、WTI原油は1日で9%超急伸(7/13)
  • 米6月CPI(消費者物価指数)は前年比+3.5%(予想+3.8%・前回+4.2%)へ鈍化。前月比-0.4%、コア前年比+2.6%と軒並み予想を下回り、米10年債利回りの低下とともにドル売りが強まる(7/14)
  • ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「2020年のFRBの枠組みは誤り」「トランプ大統領に批判されてもデータに従う」と発言し、中銀の独立性とインフレ抑制姿勢を強調(7/14)
  • トランプ米大統領がホルムズ海峡を通過する貨物への20%課徴金計画を撤回。ただ中東の供給不安自体は残り、原油は高止まり(7/14)
  • 米6月PPI(卸売物価指数)は前月比-0.3%とCPIに続く下振れで、年内の利上げ観測が一段と後退。BOE(英中銀)の利上げ観測を背景にポンド円は一時219円台と2008年以来の高値圏へ急伸(7/15)
  • 中国4-6月期GDP(国内総生産)は前年同期比+4.3%(予想+4.5%)と減速。一方で6月の小売売上高・鉱工業生産は予想を上回った(7/15)
  • カナダ銀行(BOC)が政策金利を2.25%に据え置き。マックレム総裁は「停滞していた経済成長は再開したようだ」と述べ、景気認識を前向きに修正(7/15)
  • 米国が対イラン攻撃を強化し、ホルムズ海峡を通過する船舶の往来が減少。「イランが米電力網攻撃に踏み切ればフーシ派に紅海封鎖を要請」との報道もあり、米金利上昇を伴う有事のドル買いでドル円は一時162円55銭(7/16)
  • 韓国中銀が3年6カ月ぶりの利上げを全会一致で決定し2.75%へ。半導体株安も重なりKOSPIは一時6%超下落し7,000の大台を割り込む(7/16)
  • 日経平均が前日比2,694円安の64,141円と歴代5位の下げ幅で急落。週間下落幅4,416円は過去最大。米軍の対イラン攻撃再開、半導体・AI関連への利益確定売り、3連休前の持ち高調整が重なった(7/17)

■ 主要指標の結果

発表日 指標 前回 予想 結果
7/14(火) 米国 6月CPI(前年同月比)★3 4.2% 3.8% 3.5%
7/14(火) 米国 6月CPI(前月比)★3 0.5% -0.1% -0.4%
7/14(火) 米国 6月CPIコア指数(前年同月比)★3 2.9% 2.8% 2.6%
7/15(水) 中国 4-6月期GDP(前年同期比)★3 5.0% 4.5% 4.3%
7/15(水) 米国 6月PPI(前月比)★2 1.1% 0.0% -0.3%
7/15(水) カナダ カナダ銀行政策金利★3 2.25% 2.25% 2.25%
7/16(木) 米国 6月小売売上高(前月比)★3 0.9% 0.2% 0.2%
7/16(木) 米国 新規失業保険申請件数★2 21.5万件 21.7万件 20.8万件
7/16(木) 米国 7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数★2 10.3 13.0 41.4
7/17(金) ユーロ圏 6月HICP改定値(前年同月比)★3 2.8% 2.8% 2.8%
7/17(金) 米国 6月住宅着工件数(年率)★2 117.7万件 131.0万件 142.7万件
7/17(金) 米国 7月ミシガン大学消費者態度指数・速報値★2 49.5 51.0 54.4

■ 週間騰落率TOP5

順位 通貨ペア 週間騰落率 金曜終値
1位 NZD/JPY +1.81% 94.894
2位 NZD/USD +1.39% 0.5845
3位 CAD/JPY +1.38% 115.818
4位 USD/CAD -0.95% 1.4018
5位 AUD/JPY +0.83% 113.391

週間ではニュージーランドドルとカナダドルの強さが目立ちました。NZドルは9月の追加利上げ観測、カナダドルは原油急騰が追い風です。円は全面安で、対NZドルでは約1.8%の下落となりました。

■ 週間強弱ランキング

1位 ++NZD   +1.60%
2位 ++CAD   +1.16%
3位 ++AUD   +0.62%
4位 ++GBP   +0.46%
5位 ++CHF   +0.38%
6位 +EUR    +0.22%
7位 --USD   -0.44%
8位 --JPY   -0.93%

週間ベースではNZD・CADの資源国・高金利通貨が上位JPYが最弱という並びです。日々の値動きでは有事のドル買いが目立ったものの、週を通してみるとドルはオセアニア・カナダに対して押され、強弱はまだら模様でした。低金利通貨売りの地合いが続くなか、円の独歩安が週間の特徴です。

2. 今週の金融市場(7/20~7/24)

■ 経済指標カレンダー(JST・重要度★3優先)

日付 時刻 指標・イベント 重要度 前回 予想
7/20(月) 日本 東京市場休場(海の日)
7/20(月) 中国 LPR(最優遇貸出金利)発表 ★★ 3.00% 3.00%
7/20(月) 21:30 カナダ 6月CPI(前年同月比) ★★ 3.2% 2.9%
7/21(火) 07:45 ニュージーランド 4-6月期CPI(前期比) ★★ 0.9% 1.4%
7/21(火) 18:00 ドイツ 7月ZEW景況感調査(期待指数) ★★ 10.5 16.0
7/22(水) 08:50 日本 6月貿易統計(通関ベース) ★★ -3786億円 -1199億円
7/22(水) 15:00 英国 6月CPI(前年同月比) ★★ 2.8% 2.7%
7/23(木) 10:30 豪州 6月新規雇用者数 ★★ 4.03万人 1.50万人
7/23(木) 20:00 トルコ トルコ中銀 政策金利 ★★ 37.00% 37.00%
7/23(木) 21:15 ユーロ圏 ECB(欧州中央銀行)政策金利 ★★★ 2.40% 2.40%
7/23(木) 21:45 ユーロ圏 ラガルドECB総裁 定例記者会見 ★★★
7/23(木) 21:30 カナダ 5月小売売上高(前月比) ★★ 0.5% 1.0%
7/24(金) 15:00 英国 6月小売売上高(前月比) ★★ 1.2% -0.1%
7/24(金) 16:30~17:30 ユーロ圏・英国 7月PMI速報値(独・ユーロ圏・英) ★★
7/24(金) 19:30 ロシア ロシア中銀 政策金利 ★★★ 14.25% 14.00%
7/24(金) 22:45 米国 7月製造業・サービス業PMI速報値 ★★ 53.9/51.2 54.5/51.5
7/24(金) 23:00 米国 6月新築住宅販売件数 ★★★ 58.0万件 60.0万件

■ 今週のテーマ

  • 7/23のECB理事会:6月に3年ぶりの利上げへ動いたECB(欧州中央銀行)ですが、今回は据え置きの公算。原油急騰でエネルギー価格の不確実性が増すなか、声明とラガルド総裁会見が追加利上げをどこまで示唆するかが焦点です
  • 中東情勢と原油:米軍の対イラン攻撃再開でホルムズ海峡・紅海の航行リスクが続き、WTI原油は81ドル台へ。インフレ再燃観測と株式市場の動揺がヘッドライン次第で再燃しやすい地合いです
  • 3連休明けの日本株:東京は7/20(月・海の日)が休場。日経平均は週間4,416円安と過去最大の下げ幅を記録しており、半導体・AI関連の売りが一巡するかが試されます
  • 再来週の日米英中銀ウィークへの布石:7/29 FOMC・7/30 BOE・7/31 日銀と会合が続くため、来週後半は各国の金利織り込みを睨んだポジション調整が入りやすい週です

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析(+1時間足)

日足(上)で見ると高値圏停滞、1時間足(下)で見ると、明らかにアセトラしておりまして、決壊待ちという感じです。

まあ、これまでのトレンド通りなら一瞬上抜けかな?

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

■ユーロドル 日足分析

鹿子木式勝ちパターン1が完了した状態。調整は終わったので、また下ですかね。

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,26,52)を表示

4. 気になる通貨ペア:AUDNZD

しばらく上げてきて、しばらくもみ合って、重要な水平線を終値で割り込んで、ボリンジャーバンドの拡大も始まって、さあ下げますか?って感じ。

5. 世界の金利動向

■ 先進国の政策金利(7/19時点・出典:外為どっとコム)

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
米国(FRB、Federal Reserve Board) 3.50~3.75% 6/17据え置き 7/29
日本(日銀) 1.00% 6/16に+0.25%利上げ 7/31
欧州(ECB、European Central Bank) 2.40% 6/11に+0.25%利上げ 7/23(来週木曜)
英国(BOE、Bank of England) 3.75% 6/18据え置き 7/30
豪州(RBA、Reserve Bank of Australia) 4.35% 6/16据え置き 8/11
カナダ(BOC、Bank of Canada) 2.25% 7/15据え置き 9/2
スイス(SNB、Swiss National Bank) 0.00% 6/18据え置き 9/24
ニュージーランド(RBNZ) 2.50% 7/8に+0.25%利上げ 9/2
ノルウェー(Norges Bank) 4.25% 6/18据え置き 8/13
スウェーデン(リクスバンク) 1.75% 6/17据え置き 8/20

■ 新興国の政策金利

国・地域 政策金利 直近の動き 次回会合
中国(PBOC、人民銀行・LPR) 3.00% 6/22据え置き 7/20(来週月曜)
メキシコ(Banxico) 6.50% 6/26会合 8/7
南アフリカ(SARB) 7.00% 据え置き(前回5/28に+0.25%) 7/23(来週木曜)
トルコ(TCMB) 37.00% 6/11据え置き 7/23(来週木曜)
ロシア(CBR) 14.25% 6/19に-0.25%利下げ 7/24(来週金曜)
ハンガリー(MNB) 6.00% 6/23に-0.25%利下げ 7/28
香港 4.00% 6/18据え置き 7/30

今週は7/15にカナダ銀行(BOC)が2.25%で据え置き、景気認識を前向きに修正しました。来週は7/20の中国LPR、7/23のECB・南アフリカ・トルコ、7/24のロシアと中銀イベントが集中します。ECBは据え置き予想が優勢ですが、原油急騰でエネルギー価格の不確実性が増しており、声明のトーンが注目されます。再来週には米国(7/29)・英国(7/30)・日本(7/31)の会合が続きます。

主要8通貨の金利見通しマップ

ECB・日銀・RBNZは利上げ局面に入り、FRB・BOE・RBAも次の一手は利上げ寄りと、世界は引き締め方向に回帰しつつあります。ハト派寄りはカナダのみ。まずは来週7/23のECBが試金石です。

6. FX業界ニュース

国内FX業者(金融庁登録の業者のみ)の今週の新着情報です。

  • SBI FXトレード:金融庁登録の国内業者であるSBI FXトレード(関東財務局長(金商)第2635号)が、新規口座開設と高金利通貨向けの複数キャンペーンを同時実施中。目玉の「新規口座開設キャンペーン」(2026年7月1日~7月31日に口座開設完了、8月14日までにエントリーが条件)は対象者全員に1,000円、さらに取引数量に応じて最大100万円をキャッシュバックします。あわせて「高金利通貨スワップ20%キャッシュバックキャンペーン」(6月1日~8月1日)では、南アフリカランド/円・トルコリラ/円の新規建てで受け取りスワップポイントの20%相当額を還元。これから始める層からスワップ狙いの中長期勢まで幅広く訴求する構成です。
    ▼SBI FXトレード(公式)キャンペーン情報:https://www.sbifxt.co.jp/campaign/

7. シカウチから一言

結局ね、上がるためにはその前に下がらないといけないし、下がるためにはその前に上がってないといけないんです。

これまで長くトレードの世界に関わってきたけど、大きなショック相場を見事に乗りこなした経験がないです。次こそはという思いは強い…!

というわけで、韓国追証&キオクシア爆下げをきっかけとした暴落相場が来てくれてもいいんですよ?


本配信はシカウチ(雑誌『外国為替』編集長)が個人として行っています。情報提供のみが目的であり、投資助言・売買推奨ではありません。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。本配信では金融庁登録の国内業者の情報のみを扱います。
配信元:シカウチ(雑誌『外国為替』編集長・個人)

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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