5月の第4週は、英国の消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index)が予想を上回る+3.5%へ加速し、ポンドが主要通貨で独歩高となった一週間でした。
一方、米国とイランの和平協議が最終局面入りとの観測からWTI原油は週間-7.99%と急落、リスクオンで日経平均(+3.14%)とNYダウ(+2.13%)はそろって史上最高値を更新。USD/JPYは159.17円まで上昇し、160円の介入警戒ラインを目前に週越えしました。
今週は5/27RBNZ政策金利・豪州CPI、5/28米PCEデフレーター、5/29東京都区部CPIと重要指標が並び、5/25は米国メモリアルデーで休場。介入警戒と月末フローの綱引きが続く展開です。

1. 先週の金融市場まとめ(5/18~5/22)

■ 主要ニュース

  • 英国4月CPIが+3.5%へ加速、ポンド独歩高の起点に(5/20):消費者物価指数(CPI、Consumer Price Index)が前年同月比+3.5%(市場予想+3.3%、3月+3.0%)と上振れ。BOE(イングランド銀行)の早期利下げ観測が後退し、ポンドが主要通貨で最強となった。GBP/JPYは週間+1.16%と主要クロスで最大の上昇。
  • 日本1-3月期GDP速報値が前期比年率+2.1%(5/19):市場予想+1.7%(前回+1.3%)を上回る上振れ。個人消費と設備投資が堅調で、6月15-16日の日銀会合に向けた0.25%利上げ織り込みを後押しした。
  • FOMC議事要旨(4月29日分)がタカ派、年内利下げ観測が後退(5/20):ウォーシュ新議長下で初めて公表された議事要旨。インフレ再加速への警戒が強く、年内利下げに慎重な姿勢が確認された。米長期金利は底堅く推移。
  • トランプ米国大統領「米国とイランの協議は最終段階」(5/21):中東情勢の緊張緩和観測が強まり、ホルムズ海峡の供給逼迫懸念が後退。WTI原油は週間-7.99%と急落した。
  • パキスタン仲介で米国・イラン合意案が最終局面(5/22):合意案が数時間以内にまとまるとの報道で原油先物が一段安。リスクオンが株式市場に波及した。
  • 日経平均が週間+3.14%、史上最高値圏の63,339円(5/22):5/21に急反発し、好業績観測とリスクオンが押し上げ。週末にかけて最高値圏を維持した。
  • NYダウが5万ドル台を回復し最高値更新(50,580ドル、+2.13%):米景気の底堅さと原油急落による物価上昇圧力の後退が買いを支援。S&P500も+0.88%と堅調。
  • USD/JPYが159円台で週越え、160円の介入警戒が継続(5/22):金曜のNY市場で159.17円まで上昇。片山さつき財務相の円安けん制発言が続くなか、160円の介入警戒水準を目前に週を越えた。
  • WTI原油が97ドルへ急落(週間-7.99%):中東和平観測で供給不安が後退し、エネルギー価格が大幅反落。インフレ期待の沈静化要因にもなった。
  • NY金は週間-1.13%(4,510ドル):ドル堅調と米長期金利の底堅さで上値が重く、4,500ドル台前半まで調整した。

■ 主要指標(5/22 終値)

指標 終値 前週比
USD/JPY 159.17円 +0.39円(前週末158.77円比、+0.25%、160円介入警戒ライン目前で週越え)
EUR/USD 1.1606 -0.0015(前週末1.1621比、-0.13%、米金利底堅くドル堅調)
EUR/JPY 184.73円 +0.22円(前週末184.51円比、+0.12%、ほぼ横ばい)
GBP/JPY 213.93円 +2.46円(前週末211.47円比、+1.16%、英CPI上振れでポンド高)
日経平均株価 63,339.07円 +1,929.78円(前週末61,409.29円比、+3.14%、史上最高値圏)
NYダウ 50,579.70ドル +1,053.53ドル(前週末49,526.17ドル比、+2.13%、最高値更新)
S&P500 7,473.50 +65.00(前週末7,408.50比、+0.88%、最高値圏で堅調)
WTI原油($/bbl、期近) 97.00ドル -8.42ドル(前週末105.42ドル比、-7.99%、米イラン和平観測で急落)
金(XAU/USD) 4,510.5ドル -51.4ドル(前週末4,561.9ドル比、-1.13%、ドル堅調で調整)

※為替・株価指数・商品はStooq(確定終値)より取得。実際の取引レートは各FX会社でご確認ください。時刻はすべてJST。

■ 週間騰落率TOP5(主要14ペア・絶対値順)

順位 通貨ペア 週間騰落率 5/22 金曜終値
1位 GBP/JPY +1.16% 213.926
2位 EUR/GBP -1.03% 0.8635
3位 GBP/USD +0.91% 1.34403
4位 NZD/JPY +0.50% 93.177
5位 CHF/JPY +0.48% 202.800

英国CPIの上振れを受けてポンド関連が上位を独占。GBP/JPY(+1.16%)・GBP/USD(+0.91%)が買われ、EUR/GBP(-1.03%)はポンド高で下落した。NZドル・スイスフランの対円上昇も目立ち、リスクオン地合いを反映した一週間。

■ 週間強弱ランキング(金曜終値の対先週末比・主要14ペア平均方式)

順位 通貨 週間スコア
1位 ++GBP +1.04%
2位 ++NZD +0.38%
3位 ++CHF +0.35%
4位 -USD -0.05%
5位 -AUD -0.12%
6位 –CAD -0.32%
7位 –JPY -0.33%
8位 –EUR -0.35%

※主要14ペア(USDストレート7本+円クロス6本+EUR/GBP)の週間騰落率を各通貨視点で符号調整・平均。マークは ++(強)/+(やや強)/-(やや弱)/–(弱)の4段階、閾値±0.25%。

++GBP +1.04% が断トツのトップで、英国インフレ上振れがポンド買いに直結。NZドル・スイスフランが続いた。一方、ユーロ・円・カナダドルが弱含み。ドルは対ポンドで押されたものの対円・対ユーロでは底堅く、ほぼ横ばいの-0.05%にとどまった。

2. 今週の金融市場(5/25~5/29)

■ 今週の経済指標・イベントスケジュール(JST)

日時(JST) 国・地域 指標・イベント 重要度
5/25(月)終日 米国 メモリアルデーで休場 ★★
5/26(火)23:00 米国 5月コンファレンスボード消費者信頼感指数(予想91.6、前回92.8) ★★
5/27(水)10:30 豪州 4月CPI(前年比予想+4.4%、前回+4.6%) ★★★
5/27(水)11:00 ニュージーランド RBNZ(NZ中銀)政策金利(予想2.25%据え置き) ★★★★
5/28(木)18:00 ユーロ圏 5月景況感指数(予想92.3、前回93.0) ★★
5/28(木)21:30 米国 4月個人所得・個人支出(PCEデフレーター) ★★★★★
5/29(金)08:30 日本 5月東京都区部CPI(生鮮除くコア・前年比予想+1.5%) ★★★★
5/29(金)08:30 日本 4月雇用統計(完全失業率予想2.7%) ★★
5/29(金)08:50 日本 4月鉱工業生産(速報・前月比予想-0.5%) ★★

■ 今週の見通し

今週は「米PCEデフレーター、RBNZと豪州CPI、東京都区部CPI」が3本柱です。5/25(月)は米国がメモリアルデーで休場のため、週前半は薄商いになりやすい点に注意したいところ。
最大の焦点は5/28(木)21:30の米4月個人所得・個人支出に含まれるPCEデフレーター
FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視するインフレ指標で、先週のCPI上振れ後だけに伸びが注目されます。上振れれば米長期金利が底堅く推移し、ドル高・USD/JPYの159円台維持につながりやすい構図です。
5/27(水)は中央銀行ウィーク
11:00のRBNZ(NZ中銀)政策金利は2.25%据え置き予想ですが、声明トーンが焦点。10:30の豪4月CPIは前年比予想+4.4%(前回+4.6%)と鈍化見込みで、結果次第でオセアニア通貨が大きく振れる可能性があります。
週末5/29(金)8:30の東京都区部CPIは、コア前年比予想+1.5%と高止まりが続けば、6月15-16日の日銀会合に向けた利上げ織り込みを後押しします。
ドル円の想定レンジは157.5円~160.0円がコア。
160円の介入警戒帯が目前で、159円台では値動きが荒くなりやすい局面。月末のリバランスフローも重なり、ボラティリティ拡大を覚悟したい一週間です。

3. ドル円とユーロドルの現在位置

■ドル円 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,36,52)を表示

ジリ上げで介入警戒ゾーンに到達。見るけどやらない状態です。典型的な観賞用。

■ユーロドル 日足分析

※日足チャートにボリンジャーバンド(21)の±2σと200SMA、RCI(9,36,52)を表示

先週にダブルトップのネックライン下抜けという方向感は正しかったですね。その次の水平線に到達しています。

ここを抜けたらもう一発下げそう。

■ テクニカルスナップショット(週足)

USD/JPY

  • 週足は続伸し、終値159.17円で158円台を完全に上抜けて週越え。160円の介入警戒水準が目前に迫る
  • 上値の節目は160.00円(心理的節目+4月末の介入推定水準)、ここを明確に超えると介入が現実味を帯びる
  • 下値メドは157円台前半の週足サポート、これを割り込まない限り上昇基調は崩れない
  • 週足200MA(200-week Moving Average)は152円台、長期上昇トレンドが継続
  • 5週超の上昇基調で買われ過ぎ感はあるが、日米金利差を背景に押し目は限定的

EUR/USD

  • 週足は1.1606で小幅続落、1.16の節目上でのもみ合いが続く
  • 上値メドは1.1660、ここを超えると1.17回復が視野に入る
  • 下値メドは1.1500、割り込むと1.14台への調整リスクも
  • 週足20MAは1.17付近で頭を抑え、戻り売り優勢の地合い
  • 週足200MAは1.13付近、長期的な下値メドとして機能継続

4. 気になる通貨ペア:USDCADの日足

カナダ安ドル高で陽連して水平線を抜けました。ここから上昇を狙っても良い形のバンドウォーク度合い。

5. 世界の金利動向

■ 米金利(FFレート)の現状と見通し

FRBの現行FFレートは3.50~3.75%(4月29日FOMCで3会合連続据え置き、採決8対4)。
先週5/20公表のFOMC議事要旨(4月29日分)はウォーシュ新議長下で初めて読まれた議事要旨で、インフレ再加速への警戒からタカ派色が確認され、年内利下げ観測が一段と後退しました。4月のCPI上振れと相まって、米長期金利は底堅く推移。次回会合は6月16-17日で、今週5/28のPCEデフレーターがFRBのインフレ判断を左右する最重要材料となります。

■ 日本の金利動向

日銀の現行政策金利(無担保コール翌日物誘導目標)は0.75%(4月28日会合で6対3の賛成多数で据え置き)。
先週5/19の1-3月期GDP速報値(前期比年率+2.1%、予想+1.7%)が上振れ、個人消費・設備投資の底堅さが確認されました。市場は6月15-16日会合での0.25%利上げを高い確率で織り込みつつあり、今週5/29の東京都区部CPI(コア予想+1.5%)が高止まりすれば、利上げ観測がさらに強まる構図です。

■ 主要国・新興国政策金利一覧

▼ 主要先進国

国・地域 中央銀行 政策金利 直近の決定 次回会合(予定)
米国 FRB 3.75% 4月29日:据え置き(3会合連続、8対4) 6月16~17日
日本 日銀 0.75% 4月28日:据え置き(6対3) 6月15~16日
ユーロ圏 ECB 2.15% 4月30日:据え置き 6月10~11日
英国 BOE 3.75% 4月30日:据え置き 6月18日
オーストラリア RBA 4.35% 5月5日:+0.25%利上げ 6月16日
カナダ BOC(カナダ中銀) 2.25% 4月29日:据え置き 6月10日
ニュージーランド RBNZ(NZ中銀) 2.25% 4月:据え置き 5月27日(今週水曜)
スイス SNB(スイス中銀) 0.00% 3月19日:据え置き 6月18日
香港 HKMA(香港金融管理局) 4.00% 4月30日:据え置き 6月18日
中国 PBoC(中国人民銀行) 3.00% 5月20日:LPR据え置き 6月22日
ノルウェー Norges Bank 4.25% 5月7日:+0.25%利上げ 6月18日
スウェーデン Riksbank 1.75% 5月7日:据え置き 6月17日

▼ 新興国・高金利通貨

国・地域 中央銀行 政策金利 直近の決定 次回会合(予定)
トルコ TCMB(トルコ中銀) 37.00% 4月22日:据え置き 6月11日
南アフリカ SARB(南ア中銀) 6.75% 4月28日:据え置き 7月23日
メキシコ Banxico(メキシコ中銀) 6.50% 5月8日:-0.25%利下げ 6月26日
ロシア CBR(ロシア中銀) 14.50% 4月24日:-0.50%利下げ 6月19日

※政策金利は外為どっとコムの政策金利ページより取得(2026年5月22日確認)。米国は上限金利。次回会合日は予告なく変更となる場合があります。

6. FX業界ニュース

① 外為どっとコム 5月キャンペーンが継続中

4月下旬以降の新通貨ペア取り扱い開始や複数立てのキャンペーンに加え、業界最狭水準スプレッドキャンペーン、CFD口座開設&お取引でのプレゼントキャンペーンなどが5月末にかけて継続中。新通貨ペアの試運転とCFD導入の動線が整備されています。
詳細:外為どっとコムのお知らせ

② SBI FXトレード 「初夏の新生活応援」+春のスワップ増額が継続中

「初夏の新生活応援・新規口座開設キャンペーン」(取引対象期間 5/1~7/1、最大1,001,000円キャッシュバック)、春のスワップ増額キャンペーン(メキシコペソ/円、トルコリラ/円、南アフリカランド/円が対象、~5/30)、「贅沢ごほうび便」(~5/30)などが継続中です。
詳細:SBI FXトレード

③ GMOクリック証券 パスキー認証を6/13より段階導入

FXネオの100万口座達成に続き、「パスキー認証」の段階的な導入を予定(第1弾は6月13日開始予定)。生体認証・FIDO2準拠でパスワード漏えい時のリスクを構造的に下げる動きです。
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当レポートは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではありません。
FX取引にはリスクが伴います。取引前に各FX会社の規定・リスク説明書を必ずご確認ください。
情報ソース:Stooq、外為どっとコム、みんかぶFX、日本経済新聞、Investing.com、各中央銀行公式サイト
作成:fx-start.jp 編集長シカウチ|作成日:2026年5月23日(土)JST

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。
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