MT4の自動売買(EA)において、取引ロットを決める方法
何ロットでトレードするか→実は最重要設定
文字通り、自動売買は勝手に売買されますから、トレードが始まったら投資家ができることはほとんどありません。つまり、事前の設定で全てが決まります。
事前の設定でおそらく一番大切のは、「どのEAを選ぶか」だと思います。ここに異論はないでしょう。
それではEAを選んだあとの設定で、一番重要なものは何か。これはもうロット設定=資金管理でしかありえません。優れたEAでもロット設定が間違っていれば、簡単に運用は破綻してしまいます。
またロット設定は、口座が飛ばないようにするための防御術のみではありません。許容できるリスクの範囲で、できるだけ多くの利益を狙う攻撃の要素も併せ持ちます。
よく裁量トレードにおいて、資金管理こそ最重要であるという意見を聞きますが、これは自動売買でも全く同じです。
ロット設定の基本
ロットについての基本を一応押さえておきます。
0.01=1000通貨、0.1=1万通貨、1.0=10万通貨
MT4やMT5では、1ロットが10万通貨です。国内のFX会社だと、1ロットが1万通貨であることが多いので、この部分は間違えないように。
| MT4(MT5)のロット表記 | |
| 0.01 | 1000通貨 |
| 0.1 | 1万通貨 |
| 1.0 | 10万通貨 |
特に1万通貨取引なのに、10万通貨取引をしてしまうというミスは、勝てばいいですが、負けたら10倍お金が減るので、大事故になりかねません。ロット設定時はゆっくり丁寧にやりましょう(僕は何度もミスってる)。
よくあるロット設定画面の例
こういう感じで、どんなEAにもロットを設定できる項目があります。上のEAだと、0.1=1万通貨取引ですね。
「バックテストの最大DDの●%にロットを揃える!」を理解する
ここからが本題です。皆さんはEAのロット数をどうやって決めていますか?
・なんとなく →論外です
・デフォルト設定 →だいたいのEAの初期ロットは0.1なので、資金の大小で意味がまるで変わってしまいます
・口座が吹っ飛んでもいいので、できるだけ厚く張る。最低でも10万通貨 →パチンコ屋か競馬場行ってください
結論から先にいうと、EAのロットは、「バックテスト結果の最大DD(ドローダウン=最も資金が落ち込んだときの落ち込み幅)を基準に決める」が正解です。
もうちょっとちゃんと書くと、「バックテストの最大DDが、資金全体の15%になるようなロットに設定する」です。15%の部分はもっと少なくてもいいですが、増やすのは微妙です。
でも、これもまた意味不明ですよね。考え方的には以下のようになります。
①資金が100万円、1万通貨取引(0.1)でバックテストをしたら、最大DDが15万円だった
→100万円の資金で最大DDが15万円=最大DDが15%
→このまま0.1ロットで取引してOK
②資金が100万円、1万通貨取引(0.1)でバックテストをしたら、最大DDが30万円だった
→100万円の資金で最大DDが30万円=最大DDが30%
→半分の0.05ロットで取引すればDDも半分の15万円(15%)になるので、0.05ロット取引が正解
①はそのままの設定でOK。②はそのままの設定だと最大DDが30%なので、これを半分の15%にするために、ロットを半分にしています。
つまり、
先にバックテストの結果があって、そこから逆算して取引ロットを決める。基準は最大DD
という考え方が、自動売買を安定して行うためのセオリーとなります。計算式はこのあとで紹介しますし、式自体を数学のテストみたいに暗記しなくていいです。大切なのはこの考え方がなんとなくでも身についていることです。
なぜ最大DDの15%にロットを調整するのか
それではなぜDDを基準にするのか。そして、最大DDの15%という一見して安全すぎる設定なのか。その理由を解説します。
投資家が唯一コントロールできるのが負け額である
裁量トレードとも共通しますが、1回、あるいは複数回のトレードでどれだけ儲けられるかは誰にも分かりません。目の前のトレンドがどれくらい伸びるかは分からないし、レンジ相場がいつ終わるのかも正確に予想できないですよね。
ただし、いくら負けるかは、投資家が決められます。裁量トレードなら、これ以上負けたくないというレートに損切り注文を入れます。自動売買の場合は、損切りを入れることもできますし、過去のデータから得られた最も負けた時期を基準に、そう簡単にそれを上回らないように設定することもできます。
うまくいった場合ではなく、うまくいかなかった場合を基準に資金を管理するのです
長く続けないと結果が出ないので、負けすぎないように安定感を重視する
僕はよく、「トレードはリーグ戦であり、トーナメント戦ではない」みたいなことを書きます。甲子園は1回負けたら終わりですが、プロ野球のリーグ戦は勝ったり負けたりしながら、一番勝率が高いチームが優勝となります。つまり、リーグ戦は負けることが普通です。
ということは、誰でも必ずやってくる負けトレードのとき、金額的に負けすぎてしまうと継続が困難になってしまいます
また、どれだけ優れたEAでも、裁量手法でも、調子が悪くなって連敗することはあるし、不調が1年程度続くことはあります。そういった時期を何の問題もなく乗り越えるため、負けすぎないようにするのが重要です。
人間の心は思っている以上に弱い。すぐ萎えるから15%
さて、「過去のテスト運用時の最大DDに対して、15%以内に抑える」を言い換えると、
「過去一番負けたときに減った金額の6.6倍を用意する」と同じ意味になります(100÷15=6.6666)。こっちの方が、方程式の考え方をしなくていいので分かりやすいかもしれませんね。
例えば「過去の最大DDが15万円だとすれば、それの6.6倍である100万円の資金を用意する」という考え方になります。
それではなぜ、6.6倍もの資金を用意しないといけないのでしょうか。慎重すぎない?って思いませんか。僕もそう思ったことがあります。理由は以下です。
理由① 最大DDはいつか必ず更新される
長く運用を続けるほど、連勝が発生する確率、連敗が発生する確率が数学的に上昇します。試行数(チャレンジ数)を増やすと、最大DDはいつか更新するものなんです。それがいつになるかは分からないけど。
感覚ベースの話ですが、過去のテストから判明している最大DDの2倍程度のDDは、普通に発生します。
なので、例えば過去のDDの半分(50%)まで許容するロットとなると、普通に発生する過去の最大DDの2倍程度のDDで、その運用は完全に崩壊します。
理由② 萎えないためです
ところで、資金100万円でスタートして、30万円減って、残りが70万円になったら、「え?マジ?」ってなりませんか。これが半分の50万円になる前に、怖くなったり、イヤになったり、面倒になったりして、ほとんどの人は運用をやめちゃうと思うんです。
海外FXでめちゃくちゃなハイレバ+ゼロカット前提の戦略を採ったりしない限り、ほとんどの人は資金が全滅してやめるのではなく、そのはるか手前で萎えて撤退してしまうんです。
そうならないために、けっこうな余裕を持たせたロットで運用して、目先の爆益より、継続性、安定性を重視するというのが、自動売買の王道だと確信しています。
その王道の比率が、最大DDの15%のロット設定=最大DDの7倍弱の資金を用意するです
先輩投資家の意見を聞いても、やっぱり15%くらいが妥当。攻めても20%が限界
この最大DDを基準にロットを決める考え方は、僕が考えだしたわけではなく、いろいろなトレードの先輩たちの話を聞いて僕なりに納得しているものです。
また、これまでにいろいろな自動売買をやってきましたが、20%だと、連敗が続いた場合とかけっこうしんどかったです。15%くらいが、心がざわつかない臨界点じゃないかと思います。ここは個人差あると思いますが。
単一のEAなら計算は簡単
最大DDが、資金の15%になる取引ロット数の求め方
というわけで、バックテスト時の最大DDの15%になるように、ロットを調整する式は以下となります。
0.15÷(最大DD÷初期資金)×バックテスト時の取引ロット=取引ロット
先頭の0.15は15%と同じ意味ですから、20%なら0.2、10%なら0.1となります。
例えば以下のバックテスト結果なら、どういう計算になるでしょうか。
バックテストの初期資金:10000ドル
バックテストの最大DD:3000ドル
バックテストの取引ロット:0.1
※MT4のバックテスト結果はドル表記であることが多いので、円ではなくドルでのテスト結果に慣れていきましょう。
0.15÷(最大DD÷初期資金)×バックテスト時の取引ロット=取引ロット
なので、
0.15÷(3000÷10000)×0.1=0.05
となり、取引ロットは0.05と計算できます。
実際のテスト結果からロットを求めてみよう
こちらは、Power_of_JapanというEAを、僕の環境でバックテストしたものです。このEAの適正な取引ロットを求めてみましょう。
0.15÷(最大DD÷初期資金)×バックテスト時の取引ロット=取引ロット
なので、
0.15÷(761.60÷10000)0.2=0.39
となります。0.39(3万9000通貨)で取引すれば、過去の最大DDが資金の15%に収まります。
複数EAのポートフォリオの計算は複雑になってしまう
単独のEAの取引ロット計算は、これまで見てきたように簡単な計算式ですぐ分かるのですが、複数のEAを組み合わせたポートフォリオの場合、計算がけっこう難しくなります。また、いろいろなやり方、考え方があると思います。
シカウチ式ロット決定手順 ver.1.0
①同じ初期資金、ロットで全部のEAをバックテストする
②EAのタイプや開発者ごとに組み合わせてグループ(ポートフォリオ)化し、テスト期間中の最大DDを把握する
【例】
(A)仲値EAまとめて全部 → 500ドル
(B)Bさんが作ったスイング系EAのグループ… https://t.co/mg4ZlpE97d pic.twitter.com/FCY0jYNroJ— シカウチ@FX雑誌『外国為替』の編集長 (@fx_musashi) November 30, 2023
僕がたどりついたやり方はこれです。業界の重鎮の方々からもお墨付きをもらっているので、考え方として間違っていないはずです。
またこのやり方について、もうちょっと詳しく解説した記事も今後書いていきます。
取引ロットが分かれば、想定リターンも分かる
ここまで解説してきた考え方で、最大DDを基準にした安定性のある取引ロットを求める計算はもうできるようになったはずです。
そして、取引ロットが分かると、今度は想定リターンも分かります。
Power_of_Japanのバックテスト結果をもう一度見てみましょう。純益という項目がありますよね。これはこのバックテストにおける、最終的な損益を表しています。
10163.07ドルを得ているわけですが、このときのバックテストのロット数は0.2ですよね。そして、最大DDが15%になるロット数は0.39です。ということは、最大DDを資金の15%まで許容するのなら、ロットは0.2から0.39に増やしていいんです。
この部分が最初に書いた、損失を限定するだけでなく、利益も追求していく攻撃の部分も、資金管理に含まれるという意味です。
0.39÷0.2=1.95ですから、1.95倍のロット数で取引OK。ロットが1.95倍になれば、損益も1.95倍になるので、10163.07×1.95=19,817.98ドルが純益です。
さらに、取引期間を見ると、2003年5月から2023年8月までなので、ざっくり20年ちょっと運用です。20年で約20000ドルを得ているということは、年間で1000ドルくらいのリターン。バックテストの初期資金は10000ドルですから、単利で年に10%ほど増えていることが分かります。
つまり、このEAは、最大DDを資金の15%に抑えると、想定年間利回りが10%であるということまでが分かります。
これこそ、「バックテスト結果から得られる期待値に投資する」という、私が考えるEA運用の根幹になる考え方です。
そして、初期資金・最大DD・ロット・テスト期間・純益の5つのデータが分かれば、リスクを許容値まで抑えた際の想定年間利回りまで分かってしまうのです。
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