FXで勝てる人の条件

なぜFXで勝てないのか?FX雑誌の記事を11年書いて到達した25の結論

なぜFXはこんなに勝つのが難しいのか?ほとんどの人がなぜ負けるのか?

この絶対的なラスボスに対して、あえて非体系的にその要因と思われる部分を列挙してみます。

この記事の内容

勝てるようになる前にやめるから

いきなり真理です。

トレードの技術は、やっていれば向上します。そしてある日いきなり開花して、お金を増やせるようになります。

これはグルトレEAを作った羊飼いさんのTwitterを引用したものですが、いつ勝てるようになるか分からないことがポイントです。でも、いつか勝てるようになる可能性も高いです。

だからこそ、様々な理由で途中でFX自体をやめてしまうから、勝てるようにならないのです。

最初に大きな枚数で挑戦し、案の定負けるから

FXにおいて、初期の資金調達能力は関係ありません。FXは軍資金の量により、行動が制限されないので、1億円持っている人も、5万円しかないことも、やっていることは同じです。数字が違うだけです。

何か事業を始めるときには、お金をいくら集められるかがカギを握りますが、FXにはその必要はないのです。むしろトレードに慣れていない初期段階で、大きな資金を投じてしまえば、高確率で負けることになります。始めてすぐ負けたら、そりゃあ萎えますよね。

なぜか一定数の人は、たくさんお金をつぎ込むことで、本気度を示そうとします。不動産投資ならいざ知らず、FXで最初から資金が大きいと、負けるのが怖くて損切りが遅くなったり、利食いが浅くなったりして、何も良いことはありません。大切なことだからもう一度言いますが、初期段階の資金調達能力は不要です。というか、有害ですらあります。

損切りできないから

どんな本にも損切りしようと書いてある

損切りするべきところでできないと、長期的に見れば資金は確実に減ります。

どんなFXの本を読んでも、損切りをしようと書いてますが、あれは本当にその通りです。損切りをしない手法もありますが、それもやはりなぜ損切りが必要なのかを分かっているからこそ、理解できます。

唯一管理できるのが、トレードごとの損失額

損切りとは、トレード1回あたりの負け額を、自分でコントロールするための行動です。というのも、利益の金額は自分ではいかんともしがたいからです。ある1回のトレードの利益が1pipsなのか1000pipsなのかは誰にも分かりませんし、そもそも勝てるかどうかも分かりません。

なのですが、そのトレードで負ける金額は、確実に投資家側が決定できます。100pipsで負けると決めたら、負けは100pipsになります。相場を見張っていられなくても、損切りの逆指値注文を入れておけばその価格通りに決済されます。

このように、唯一決められる部分が損切りの値幅だからこそ、ここをベースにトレードの戦略が決まります。例えば、このトレードは1万通貨取引なので、1回のトレードで1万円以上負けたらへこむから損切りは100pips。勝率60%くらいが目標なので、損失と利益が1:1かそれ以上に利益が多ければ統計的に勝ちなので、利食いも100pipsにしよう、のような。

こういった損益の計算は、長くトレードをしていくなら絶対に必要です。そして、それ以前の話として、自分の負けを認められない人に未来はありません。

利食いが浅いから

値幅を取ることがFXの目的

FXでうまくいかない人で、損切りできないのと同じくらい多いのが、利益を伸ばせないパターンです。これには、FXがどういうゲームなのかという、本質的な部分が曖昧になっていることが絡んできます。

FXとは、値幅を取るゲームです。獲得した値幅(プラスになったトレード)から失った値幅(マイナスになったトレード)を差し引いて、ここがプラスになっていることを目指します。その上でトレードの枚数(売買数量)が絡んできて、どれくらい勝ったか、負けるかが決まってきます。ですので、勝った、負けたという勝敗はそんなに大切ではなく、どれくらいの値幅を削り取るかが重要です。

浅く利食いしたとき、損をしていないか?

そう考えると、伸ばせる利益を伸ばせないのは、非常に損失が大きいといえます。結果論的な表現ですが、本来100pips取れたところを、びびったり妥協したりして+10pipsで手じまいしたら、このトレードは-90pipsと考えるべきです。勝敗の上では勝ちですが、90pipsを失ったに等しいわけです。

これが世に言うコツコツドカンです。勝つときは小さいのに、負けるときはそれ以上なので、勝率が良くてそれなりに善戦しているように見えても、実際のトータル収支はマイナスになります。

損切りを深くしすぎないのと同じくらい、利益もしっかり伸ばすことが大切です。

目先の勝ち負けにこだわるから

甲子園ではなくプロ野球

これまで何度も言ってますが、FXにおいてはトーナメントのメンタルはよろしくありません。甲子園のような負けたら終わりという思想でトレードをすると、負けたくないので損切りが深くなり、また勝ちを早く確定させたいので利食いが浅くなります。

メンタルとしては、リーグ戦のメンタルの方が良いです。勝ったり負けたりしながら、シーズンを通じての総合成績で判断します。

神トレーダーでも全勝できない

その前提になるのは、どれだけすごいプロでも、必ず負けるトレードがあるということです。しかも、かなりたくさん。

何回に一回かは読みが外れて負けるのはプロも同じです。負けることが前提なのに、毎回のトレードを勝ちで終わることにこだわれば、間違いなく弊害が出ることになります。

一気に資産を増やそうとするから

お金持ちは無理しない

本来投資というものは、それなりにたくさんお金を持っている人が、まずそれらを守りながら、チャンスがあれば増やすためのものです。お金がない人が、仕事にかわる収入源として投資を考える時点で、何かがちょっとおかしいのです。

もちろん、FXは仕事にかわるもの、いや仕事以上に稼げる可能性を秘めたものです。なのですが、早く現状を変えたい、人生を逆転したいからと、性急に結論を求めすぎるとろくな目に遭いません。

負けの方程式が完成する

結論を急ぐほど、

勉強不足の状態+危険なハイレバ

という、相互にマイナスに干渉しあう状態でのトレードになります。勉強不足だから、そもそも優位性を持っておらず、安定して資産を増やせない。それにくわえてトレード枚数が多いため、メンタルの負担が大きく、その結果、利少損大となって一撃で大敗、FXの世界から追い出される…という負けロードが確立されます。

つまり、結論を急ぐほど、お金持ちと逆の行動になります。

勝ち組と正反対のトレードをしてしまう

お金持ちは資産防衛が優先ですから、大負けを防ぐためしっかりリスクマネージメントをします。また、今すぐ勝たなくても生きていけますから、しっかり利益を伸ばせます。

焦ってすぐ稼ぎたいと、一度負けたら大怪我をするハイリスクなロットのトレードとなり、焦っているので利益を伸ばせません。

単純にトレーニングが足りないから

最初は練習するのが当たり前

どんな仕事でも、必要な技術があり、それを身に付けるためにはけっこうな時間がかかるものです。

あるいは、車やバイクに乗るためには、少なくとも1か月くらいは教習所に通って、座学と実践で技術を身に付けます。

それなのに、仕事よりも短い期間、教習所より少ない練習量で、いきなりトレードをしてしまう人がいます。

FXのプロは容赦なく初心者狩りをする

FXの世界では、ヘッジファンドで何十年も資産運用をしているベテランや、難解な数式を駆使して高度なクオンツ(いわゆる自動売買)を構築するような、とんでもない連中と同じフィールドで闘わないといけません。

彼らは容赦なく初心者のお金を奪い取っていきます。というか、投資の世界では、プロが素人から金をまきあげる図式がデフォです。メジャーリーガーが、少年野球の地区大会に乗り込んできて無双しているようなものです。

そんな北斗の拳のような世界なのに、ほとんど練習しないでいきなりお金を投じるなんて、自殺志願者と変わりません。負けてもほとんど痛くない少額投資ならともかく、いきなり初手から大金を投じるなんて、正気の沙汰じゃないです。

教習所に通い始めた初日にいきなり運転したら、当然事故を起こしますよね。

データを残し、トレードを振り返らないから

FXを上達していくためには、トレーニング、そして経験が必須です。ですが、漫然とトレードをしていると、ただ勝った、負けたで終わってしまいます。

各トレードについて、そのときのチャートや結果を記録し、あとから振り返ることで、得られる気付きは必ずあります。

というか、このブログ自体がそういった意味合いで運用されています。僕は即怠けるので、こうして記事にでもしなければ、あとで振り返ったりしませんので。

1つのやり方に対して試行数が少ないから

どれだけ優れた手法でも、調子が良くない局面は必ずあります。FXにおける良い手法の定義は、勝ったり負けたりしながら何回もトレードをこなし、結果的にお金が増えているです。これで十分、これ以上は望めません。

なので、優位性バリバリの手法でも、どうしても負けることがあります。どんなやり方でも、3~4回続けて負けることなんて普通です。

でも、こういった確率のいたずら的な連敗があっただけで、この手法はもうダメだと見限ってしまうと、いつまで経っても自分に合った良い手法と巡り会えません。

手法の旅人だから

すみませんが、聖杯はないです

はっきり分かっているのは、FXの世界に絶対的な必勝法(いわゆる聖杯)はないということです。

勝ったり負けたりしながらじわじわお金が増える手法はあります。調子が良いときには積極的に攻め、調子が悪いときには使用を控えることで、トータルで勝てるやり方はあります。

でも、いついかなるときでも、必ず勝てるやり方はありません。

なぜ存在しないかを考えれば納得できる

投資の世界では、自分より高く買ってくれる人がいないと、すでに買っている人は利益確定ができません。そして、一番最後に買う人は必ず値下がりした状態で、買ったものを手放すことになります。つまり損切りを強いられます。

つまり投資の世界では、誰かが負けてくれないと自分は勝てませんし、自分が負けるときには誰かが勝っています。参加者全員が勝つことは不可能です。

この傾向が強いのが、ゼロサムゲームと呼ばれるFX。取引手数料を差し引けば、勝ち組の利益と負け組の損失は常に等しくなります。

こういう仕組みである以上は、常勝できないことは当たり前ですよね。

そして何より、誰が使っても極めて簡単で、確実にお金が増えまくる必勝法がもしあるのなら、簡単に人に教えますか? 私は教えません。家族に教えるかもあやしいです。

なぜ投資で勝っている人が、他人に手法を教えられるのかといえば、そこまで使いこなすことが簡単ではなく、教えた瞬間に誰もが確実に勝てるようにならないからです。

見限るのが早すぎるとそれは旅人

というように、絶対的かつ誰でも実行できる必勝法は、FXにはありません。

なのに、そういったものがあると信じて、あるいは期待して、次から次へと手法を試し続けると、それはもう永遠に目的地にたどり着けない手法の旅人です。いや、目的地のない移動は旅じゃないですね。ただの放浪、徘徊です。

優れた手法でも必ず負けることがあり、その実力は統計的なデータでしか評価できません。最低でも1年間、あるいは500回くらいのトレード回数がないと、使える手法なのかどうかは分からないのです。

ですので、数回のチャレンジですぐ諦めてしまう放浪癖がある人は、もっと長い目でやり方を検証する意識が必要です。

トレードをする前に検証をしないから

すぐ上で述べたように、実際の相場である手法が本当に優位性があるかどうかを確かめるには、かなりの時間や回数が必要です。

なので、これを実際の相場でやろうとすると(つまりフォワードテスト)、ものすごく時間がかかってしまいます。少額投資やデモトレードで金銭的なダメージがないとしても、1年やってみてダメでした、ではあまりに時間がもったいないです。

だから、実際の相場で試す前に、止まっているチャートや、過去のデータ、フォレックステスターのような検証ソフトを使って、ある程度そのやり方は行けそうだという感触を持ってから、実際の相場で検証をするようにしてください。

当たり前ですが、実相場で1年間の検証をしようとしたら1年間かかりますが、過去を振り返るのならもっと短い時間で終わります。

言い換えると、ろくに検証もしないでいきなり実際の相場に突撃するのは、お金を失う以外に、時間的にもあまりにも非効率的ということになります。

やる前に検証!が基本です。

トレードに費やす時間が確保できないから

ほとんどのFX講座では結果が出ない人の方が多い

FX攻略.com編集部時代に、いろいろなFX講座の担当をしてきました。

ですが、正直にいいまして、どの講座でも勝てるようになった人は少なかったと思います。

でもそれは、講座の内容が悪かったり、講師の先生の実力不足だったわけではありません。3か月間なり、半年間なりの講座において、全ての内容を反復して吸収し、実際の相場で実戦レベルにまで落とし込んで実践していた人はほとんどいなかったと思います。つまり、講座内容の良し悪し以前として、大半の方が授業について来れていないのです。

これでは、結果が出ないのも当たり前。もっといえば、中途半端な理解で実資金でトレードをしようものなら、むしろ悪い結果になる可能性もあります。

十分な時間とエネルギーを確保できなければ上達しない

なぜ授業についていけないのか。

私が見ていて一番多かったのは、単純に日常が忙しすぎてしっかりセミナーに参加したり、講義の映像を見られていないパターン。オトナは忙しいですから、時間や体力に十分に余裕があるか、あるいは強い意志がなければ、今すぐしなくてもいいこと、明日すればいいことを今日できないものです。

あとは、そのFXトレードをするために必要なITスキルが不足しているケースも多かったです。デイトレやスキャルピングをするのに、MT4の導入でつまづいていては、その先は厳しいです。

統計的な判断ができないから

究極的には、トレードで勝ったかどうかは関係なく、勝てる行動を積み重ねたかどうかが全てといえます。なぜなら、どれだけ準備しても、どれだけ練習をしても、運の要素で負けることがあるからです。

目先の結果ではなく、優位性のある行動の繰り返し、期待値の積み重ねこそ、勝てるトレードであると自然に思えることが大切です。

こういった発想は、数学の授業でいうところの、確率・統計の考え方が一定以上身についていないと出てきません。統計的にトレードができるようになってくると、良い負け、悪い勝ちという概念がわかります。

良い負けというのは、期待値的にはお金が増える行動だったけど、運悪く負けてしまったトレードのこと。手法が確立されているなら、決まったルール通りにやって負けたトレードのことです。

悪い勝ちというのは、これとは逆にルールを守らず統計的優位性が定かではないトレードをしたものの、結果的に勝ってしまったことを指します。

悪い勝ちはたしかにお金が増えますが、一過性の出来事にすぎません。同じことを狙ってもう一度できない、つまり再現性がないからです。

自分に合ったやり方を選択できていないから

FXは非常に自由な投資だと思います。ほぼ24時間動いている相場の中で、投資家はどの通貨ペアを、いつ売っても、いつ買っても構いません。

なのですが、自分にマッチしたやり方でないと継続的に利益を残すことはできないです。

分かりやすい例なら、本業の仕事が忙しく、毎日疲れ果てて夜遅くに帰宅する人が、そこからチャートに張り付いてスキャルピングをやって、安定して稼ぎ続けることは難しいでしょう。体力的にも、時間的にも、スキャルピングはこの人に合っていません。

もう一つ例を出せば、資金が5万円しかない人が、スワップポイントを狙う超長期運用でお金を大きく増やすことも、まずもって不可能でしょう。スワップ運用は、とにかくロスカットにならずに持ち続けることが大切ですから、かなりたくさん資金が必要です。5万円の資金では大きな逆行に耐えられませんし、そもそも十分なスワップポイントを得られる大きなロットのトレードができません。

このように、トレードで勝てない大きな理由の一つは、手法が悪いのではなく、選択している手法がその人のライフスタイル、体力、資金、メンタルなどに合致していないことです。自分に合わない手法は、どれだけ優れていても使いこなせません。

今はやらないという選択ができないから

また次のバスがやってくる

バスに乗り遅れるなという格言があります。時流に取り残されてはいけないという、ある意味人を急かすような使われた方をしますが、投資においては、特にFXにおいてはまったく重要ではない考え方です。

なぜなら、FXの相場におけるチャンスは、またあとから必ずやってくるからです。同じ相場は二度とありませんが、似たような形状のチャートは、これまでに何回も繰り返し出ていますし、今度も繰り返し出てくるでしょう(だからこそ、テクニカル分析が有効)。

ここが、ある商品の価値の上昇を狙う株や仮想通貨の現物取引とは違う点です。FXは通貨同士の交換レートの変化を追うものですから、ドル円でいえば円高も円安も、どちらも今後何回もやってきます。だから、今ここで焦らなくても問題ないのです。

仮想通貨なら、たしかに2017年のような大暴騰はもうないかもしれません。少なくとも、1ビットコインで1万円以下で買える日は来ない可能性がかなり高いです。ただ、これと同じようにFXを考えてはいけません。

やる判断と同じくらい、やらない判断は重要

相場が急激に動いているのを目の当たりにしたら、まさに千載一遇のチャンスとばかり、参加したくなってしまうものです。なのですが、そうやって飛び乗ると、かなり強いトレンドでもなければ、だいたい天井で買わされたり、底で売らされるものです。

こういうケースではすぐにやらず、一度相場が落ち着いてからの第2波を狙う方が安全です。これがまさにやらない判断の良い例。

あるいは、風邪を引いていて頭がボーッとしていたり、仕事で嫌なことがあってメンタルが落ち込んでいたり、あるいはお酒を飲んで変にテンションが高いときなどには、やらないという判断ができないといけません。

たしかに目の前の相場は大チャンスかもしれませんが、長くトレードをしていれば、また似たようなチャンスはきっとやってきます。

取引ツールが使いこなせないから

車の運転って、ただそれをできるだけでは大金持ちになれないですよね。カーレーサー並に運転技術が高ければ別ですが、普通のドライバーなら、それに何らかの別の技能や仕組みを組み合わせることで、初めて運転技術がお金になります。言い換えると、車を使う多くの仕事の土台になるのが、運転の技術です。

FXにおいては、取引ツールを過不足なく使えることが、これに相当するのではないでしょうか。

パソコンが得意で、MT4のいろいろな機能を知っていて、取引用のスマホアプリも自由自在に使いこなせることだけで、投資でバンバン勝てるようにはなりません。でも、ツールを問題なく使いこなせるからこそ、相場の分析や的確なトレードに集中できます。

FXの世界は人間同士のお金の取り合いで、ときには呂布みたいな化け物の相手をしないといけないわけですから、取引ツールの使い方にリソースを割いているひまはありません。

最低限のITスキルを身につけることが、トレードで成功する第一歩。ここをクリアできないなら、FXはやめたほうがいいです。不利すぎます。

恐怖心に支配され、負けることを極端に恐れるから

投資でうまくいかない人で一番多いのが、根拠のない場面、チャンスとはいえない局面で、不用意に大きなロットで突撃して、案の定をお金を失うパターンです。つまり蛮勇です。

でも反対に、臆病すぎてもうまくいかないのが投資。これは実際にFX教室を主宰されているトレーダーさんがおっしゃっていたのですが、十分に勉強をして、検証もしっかりやって、デモトレードでも結果が出ているのに、リアルトレードとなると怖くて勝負できない人が結構いるそうです。

これはおそらく、毎回のトレードで損をすることを極端に恐れているのでしょう。しかし、FXは統計的にお金を増やすゲーム。勝ったり負けたりしながら、総計で資産を増やせればそれが勝ちです。目先の1回の取引は、プラスになることもあれば、マイナスになることもあり、こればかりはどうしようもできません。

それに負けたとしても、損失額を全資金のごく一部になるように資金管理をすれば、トレード全体としては全然問題ありません。

結局のところ、お金を失うこと自体への恐怖が強すぎるから、知識や技術を身に付けてもなお、トレードすべきところでビビってしまうのです。これは、滅多にない大きく稼ぐチャンスで、いつもよりもトレード頻度を多くしたり、ロットを積み上げられないことも同じです。

根拠もなく勝負に出るのは危険ですが、しっかり勉強したのなら一度や二度くらい負けても余裕で取り返せるはずです。

土日を有効に活用していないから

FXでは、土日の使い方がとても大切です。

目の前でパタパタとレートが動いていたら、なかなか集中できませんよね。相場が止まっている土日こそ、落ち着いた気分で相場に向き合えます。

それに、十分な時間を確保しないと、相場の勉強はできません。この場合の土日は、本業がない休日という意味でもあります。

相場が動いているときには、トレードと勉強を同じタイミングで行うことはまず不可能です。まず十分に練習して、そこからトレードに集中という流れがいいですよね。

そういった意味で、土日をしっかり使うことこそ、FXを上手くなる道です。中長期でトレードをする方は、土日に翌週の予想を立てていますしね。

環境認識を間違っているから

バラバラの手法だけでは勝てない理由

ダブルボトムから買いを入れるとか、移動平均線での押し目買いを狙うとか、RSIが行き過ぎたところから反転を狙うとか、FXにはいろいろなトレード手法があります。

これらは全部正しいのですが、すべてはトレードを構成するためのパーツです。パーツを組み込む全体の設計図がなければ、勝てるトレードは完成しません。

全体の設計図が何かといえば、それは相場の環境認識です。今がこういう展開だから、こういう手法を使うという認識があってこそ、それぞれのパーツが機能してきます。

超円高局面でスワップを狙いますか?

どれだけ優れた手法でも、相場とかみ合っていないと負けます。

ドル円や豪ドル円がガンガン下がっている円高の局面、例えばリーマンショック発生直後などに、スワップポイントを狙う長期の買いトレードをしたら、確実にお金は減りますよね。実際に2008年秋には、スワップ勢の大半が憤死しました。

でもこれは、スワップを狙うトレード(いわゆるキャリートレード)が、手法として間違っているわけではありません。使う場面が違っていただけのことです。サブプライム前の2000年代前半は円安トレンドが続いていたので、キャリートレードは利益が出しやすかったです。

問題なのは、相場の環境がとっくに変わっていて、今の手法が使えなくなっているのに、それに気付かずにずっとやり方を変えないことです。

順張りと逆張りのどちらが優れているかという話に意味はありません。なぜならトレンドが出ていれば順張りが使いやすいし、トレンドが出ていなければ逆張りが使いやすいからです。環境があって、手法があるのです。

天井で買い、底で売っているから

自分より高く買ってくれる人がいるから、トレードで利益が出ます。一番最後に買う人は、利益確定できず損切りすることになります。

この相場の原理は、2017年の仮想通貨バブルを思い出すとわかりやすいと思います。年末年始の最後のタイミングで買った人たちは、それ以上に高く買ってくれる人がいなくて負けました。

相場は常に人間同士の金の奪い合いであり、最終参加者、最後に逃げ遅れる人が貧乏くじを引くシステムになっています。

この考え方が分かっていれば、急激に相場が動いたシーンで飛び乗って勝つことは難しいと理解できますし、押し目買いや戻り売りが当たり前のように行えるはずです。

誰も自分のあとに続かない、最後に相場に飛び込む人にならないよう、気をつけましょう。

チャート分析から逃げるから

ファンダメンタルズ分析が得意だったり、ニュースを読むのが好きなわけではなく、ただチャートを見るのが面倒だったり、テクニカル分析を理解できないため、自分が理解できる範囲の新聞やテレビのニュースだけで、相場を語ろうとする人がまれにいます。

株ならともかく、FXでチャートを見ないで勝つのは無理です。チャートから逃げないでください。

貧乏だから

非常に根深い問題だと思います。FXでは、たしかにお金があってもなくても、トレードの内容は変わりません。誰もがドルや円やユーロやポンドを売買するだけです。

なのですが、お金持ちが有利、貧乏人が不利な要素がたくさんあるのが現実です。

年に20%増やしたところで、それがなに?

例えば、年間に20%を増やす運用は、本来なら神レベルで上手いです。ウォーレン・バフェットと似たような利回りですからね。

なのですが、お金がない人にとっては、この程度の利回りでは何も起きません。100万円を1年間動かして、120万円になったところで「は?だから?」ですよね。

お金がない人が望むのは、少ない資金を短時間で何倍にも増やして、生活のステージを大きく引き上げることです。あるいは、仕事をすぐやめても良い状態を作ることです。でもこれでは、ウォーレン・バフェットですら門前払いになってしまうのです。ここまでハードルが高いと、ほとんどの人が成功しないのは当たり前です。

そんなに長く待ってられないんだけど

トレードで稼ぐことより、トレードでコンスタントに稼ぐことは何倍も難しいです。なぜなら自分の得意なパターンがコンスタントにやってこないことも多いから。

でも、お金を今すぐ増やしたい人は、そんなに悠長に待ってられません。アベノミクスやリーマンショックを待っている場合じゃないのです。

今すぐ稼ぎたいという欲望は、使える手法の幅を狭めることになります。

長期的に取り組んで資金を増やしていけばOK

貧乏な人がFXで今すぐお金持ちになることは極めて難しいです。でも、5年、10年計画で技術を磨きながら原資を少しずつ大きくしていけば、最終的に億単位のお金を得ることは難しくありません。

10年も相場を見ていれば、大きく値幅を取れる大変動も何回かあるでしょうし、本業の収入を少しずつ取引口座に足していけば、加速度的にトレード資金は大きくなっていきます。

お金持ちは慌てません。なぜならもう勝っているから。だからこそ、貧乏な人もお金持ちと同じように慌てないことが大切。時間を味方につけまよう。

深夜にトレードをしているから

個人的な感想かもしれませんが、夜遅くに一人で作業をしていると、何となく悲観的になりませんか?少なくとも私はそうです。

夜中にトレードで負けたり、含み損になると、とても後ろ向きな気持ちになります。でも、翌朝になって同じ状況を見ると、昨晩よりは前向きな気持ちになります。前夜に負けたのなら、なぜ負けたのかという敗因を考えたり、含み損があってもそれが想定の範囲内なら冷静に赤い文字を見られます。

人間の身体のリズムは日光でスイッチが入るようになっているのでしょうね。朝は活動的ですし、建設的な発想ができます。また、日中ずっと活動をしていると、夜になったらもう疲れてますから、あまりシャープな発想や判断ができないんでしょうね。

夜にトレードをするのがいけないわけではないですが、ネガティブな気持ちになりすぎるのなら、そっとパソコンやスマホから離れ、翌朝にもう一度検討してみてください。

本を読まないから

私が本の仕事をしているから分かるのですが、本を出版するのってけっこう大変なんです。手続きが煩雑ですし、印刷代はかかります。だからこそちゃんと作ります。

それに対してインターネット上の記事は、誰でも、いつでも、ほぼコストなしで公開できます。そこに責任がないのは当たり前ですよね。もちろんWEBにも良い記事はありますが、それ以上に意味不明の記事も多いです。

またWEBは検索して目的の記事に直行しますから、ある一つの知識は得られても、体系的で総合的な知識は身につきにくいです。

これが本なら、1ページ目から読むことを前提にしているので、書く側が意図した流れで読者は読み進めることになり、結果として体系的な知識を身に付けられます。

FX関連書を1冊、最初から最後まで読んでみてください。

未来の見通しやポートフォリオがないから

僕自身が今やっているトレードの成績をこのような感じでまとめ始めてから感じたんですが、現状の財布の中身や生活レベルの実感だけで投資成績を判断してはいけないと感じました。

自分なりに計算式を作って、今この運用を続けたら年間で何%くらい増えると予想できて、その結果資金はいくらになるかという見通しを作るようにしました。そうすると、生活実感から得られる主観的な判断ではなく、数字による未来予想で運用全体を把握できるようになったのです。いわゆるポートフォリオというやつです。

さらに、複数の運用を走らせているので、勝ちまくっているものもあれば、今の時点ではマイナスのものもあります。ただ、全体でお金が増えると分かっているので、今マイナスのものに対しても長い目で見ようかなという気になれます。

そして、このポートフォリオがお金を増やせるものであれば、労働の報酬をここに注ぎ込んでいければ、資産増のカーブはかなり急角度になるはず。今すぐに世界一周旅行は無理でも、5年、10年やればそれなりの資産になるのではないかと希望が持てます。

投資成績の判断は、今だけでなく未来の見通し、そしてポートフォリオ全体での判断が必須ですね。

ABOUT ME
シカウチ
FX雑誌「外国為替」の編集長。FX攻略.comの副編集長として11年間、取材・執筆・編集に携わったのちに独立。トレーダーとして、自動売買中心にFXの運用を行う。